カニ料理の名店がランチを楽しめる2号店をオープン「昼どころ 髙崎」

金沢の中心街・香林坊交差点から徒歩2分の好立地に2021年11月にオープンした『昼どころ 髙崎』は、金沢の名店割烹『味処 髙崎』の2号店。加能ガニをはじめ、石川県の旬の味をカジュアルに堪能できる店だ。

全国のファンの要望に応えてオープン!

『味処 髙崎』といえば、金沢の中心街・香林坊からほど近いせせらぎ通りで約50年、営業を続ける老舗の割烹。地元の旬の素材と伝統料理を中心にした加賀会席が堪能できる。中でも地元の高級カニである加能ガニの目利きは「髙崎のカニ」として、漁期の113月には石川県内だけでなく全国から常連が足を運ぶほどの人気だ。

『昼どころ 髙崎』は、その老舗割烹の2号店として202111月に香林坊東急スクエア G Fにオープン。「お昼でも髙崎の味を堪能したい」というファンの要望に応えたかたちだ。

名前の通り、営業はランチタイムのみ。和洋が折衷したカフェのようなカジュアルな雰囲気で訪れる人を出迎える。

昼どころ 髙崎の店内はテーブル席のみ。格子戸のような仕切りに金沢情緒を感じる。

 

イチオシのメニューはやはりカニ。全国的にも有名な高級ブランド「加能カニ」にこだわり、厳選した大ぶりの活カニを使用する。1グループにつき必ず1杯以上をオーダーするシステムで、半身は刺身に、もう半身は焼きガニで提供される。「刺し身でカニを楽しむには鮮度はもちろん、やはり大きさへのこだわりは必須です」そう話すのはオーナーの髙崎正剛さん。氷水で締められて華やかに花開いた姿や生ならではの甘みと、それが溶けるように解(ほど)けて口いっぱいに広がる食感まで堪能するには、太い脚にみっしりと身が詰まっていることが大切なのだ。もちろん香ばしく焼き上げられた焼きガニのむっちりプリプリとした食べごたえも同様。そのため髙崎では700g以上の大きなサイズのものしか扱わない。

「決してリーズナブルではないかもしれませんが、本当においしい地元の素材と料理を味わってもらうために大切にしているこだわりです。それが金沢で料理店を営むものとして、食べてくださるお客様はもちろん生産者への敬意ですし、金沢の食文化の一旦を担い伝えていくための使命だとも思っています」(髙崎さん)

身の繊維が粒立ったように花開くのは、調理の直前までカニが生きていた証なのだそう。

 

通年提供されるメニューでは「昼どころセット 極(3,800)」がおすすめ。本店でも人気のいくら丼にのどぐろの塩焼き、ギバサ(アカモク)の味噌汁に能登もずく、本店名物のカニクリームコロッケがセットになった髙崎の味も石川県も堪能し尽くすことができるセットだ。ほかに、季節ごとの旬のアラカルトがラインナップされる。イサザや毛ガニ、天然の岩牡蠣などをはじめ、他ではなかなか食べられないメニューもあるのでぜチェックしたい。

味処 髙崎でも人気の逸品がひとつになった御膳。石川県の豊かな自然と深い食文化が堪能できる「昼どころセット 極」。

 

加能ガニと並ぶ髙崎の看板料理といえばこのカニクリームコロッケ。スタートは洋食店だったという本店でも古くから受け継がれる味だ。

 

能登の豊かな自然に育まれた大ぶりの天然岩牡蠣は、夏の味覚。特大サイズは地元でもなかなかお目にかかれない逸品。

 

 

 

先代から受け継いだ「誠実さ」が2号店のオープンを後押し

昼どころ 髙崎を開店した正剛さんは2代目。もともとは家業を継ぐつもりはなかったのだという。

「自分が子どもの頃、本店は住居も兼ねていたので店にも働いていた人たちにも愛着はありましたが、父とは考え方が合わなかったというか……今思えば若気の至りとでも言うのでしょうか()

一時的に家業を手伝ったこともあったが、やはり一生の仕事とは考えられず、飲食業とは無関係の仕事についたのだとか。思いが変化したのは、父である先代が体調を崩した際だ。

「変わらず力を尽くしてくれるスタッフや、遠くからでも「変わらず『髙崎の味』を求めて来てくださるお客様の姿に、ここを無くしてはいけないと思いました。何より父の誠実な仕事ぶりに改めて気付かされました」

正剛さんが髙崎を継いで14年。スタッフや客はもちろん、仕入れる食材にも「誠実であること」をモットーとし続けたことが昼どころ 髙崎のオープンにつながった。

取材中も「おかげさま」と何度も口にした髙崎正剛さん。仕事との向き合い方だけでなく、人柄が現れた言葉だ。

 

昼どころ 髙崎店長の北溝さん。堅苦しすぎずゆっくりと食事を楽しめる雰囲気なのは北溝さんはじめスタッフの「おかげ」と正剛さん。

 

 

 

大切な時間をよりゆっくりと過ごすことができる本店『味処 髙崎』

ランチタイムのみの営業の昼どころ 髙崎に対し、本店である味処 髙崎は17時からの営業。地元で獲れた新鮮な魚介はもちろん、加賀野菜など地物の旬の素材が存分に振る舞われる。

伝統的な加賀会席だけでなく、どじょうの蒲焼や五郎島金時の天ぷらといった庶民の味も楽しめる。その日の気分や好み、予算を伝えれば可能な限りの要望にも応えてくれる。

板前との会話も楽しめるカウンターに、大切な人と記念日を祝う個室、仲間とともに過ごす時間と美味しさを共有できる座敷など、さまざまなシチュエーションに対応できる懐の深さがあるので、こちらもぜひ訪れてほしい。

創業から約50年、変わらない美味しさに地元客はもちろん県内外に多くのファンが四季折々の旬を求めて訪れる本店「味処 髙崎」。カウンターから個室まで、さまざまな用途に応えてくれるのも魅力。

 

 

 

 

 

※価格は税込

取材日時2022425

取材・文 小杉智美

 

 

店舗情報

店舗名 昼どころ 髙崎
住所 金沢市香林坊2-1-1 香林坊スクエアGF
電話番号 076-224-7055
営業時間 11:00~17:00(L.O.16:30) ※最終入店は15:30
定休日 第2・4木曜