浅野川のほとりにたたずむ開放感たっぷりのカフェ「OTABA」
武蔵ヶ辻から彦三を抜け東山へと続く道すがら、浅野川にかかる小橋のたもとにある「OTABA」。地元の老舗うどん店「お多福」が経営するカフェだ。
浅野川の四季を眺めながらカフェタイム
浅野川にかかる橋と聞いて真っ先に浮かぶのは浅野川大橋だろうか。その犀川大橋から2本下流にかかるのが「小橋」。小ぶりな橋ながら、60年ほど前にかけられて以来、地元住民の生活の橋として親しまれている。
「OTABA」は、その小橋のたもとに建っている。以前は青果店兼住居として使われていた建物で、目立つ看板もないため、通りに面した窓がなければ気づかないかもしれない落ち着いたたたずまいのカフェだ。
浅野川の遊歩道沿いに建つOTABA。金沢観光や散歩途中の寄り道にもちょうどいい。
OTABAのケーキはどれも手作り。季節の素材を使った気まぐれスイーツの名の通り、何が食べられるかは行ってみてのお楽しみ。ほかにマフィンやクッキーなどの焼き菓子も日替わりでおいてある。どれも優しい甘さで、店内で食べるもよし、持ち帰るのもよしだ。
持ち帰りと言えば、ドリンクは全品テイクアウトOK。定番のコーヒー(450円)、紅茶(450円)、ラテ(500円)などのほか、フレッシュレモンとライムがたっぷり入った生レモンライムソーダ(650円)やエルダーフラワーソーダ(650円)も人気がある。
取材に訪れた日のケーキは、りんごのタタン(550円/左)とキャロットケーキ(550円/右)。
人気のランチは3種類。自家製の生パスタはなんと「うどん」
ランチは日替わりプレートとキーマカレー、パスタの3種類(各1,500円)。どれもプレートからあふれんばかりのボリュームながら、野菜たっぷりなのでお腹いっぱい食べても罪悪感が少ない。
何よりうれしいのが、単純に「サラダ野菜がたくさん食べられる」のではなく、サラダあり、グリルあり、スープや和え物ありと、一つひとつが丁寧に調理されていること。ひとつのプレートで7~8種類の味わいが堪能できる。
たっぷりのボリュームに加え、彩りも華やかなランチプレートは、写真映えもばっちり。
ランチプレートはどれも人気だが、パスタランチの生パスタは、なんと特製のうどんパスタ。お多福の自家製麺をOTABAのためだけに細めにカットしたものなのだそうだ。
見た目は、少し太めの白いパスタ。食べてみると、パスタともうどんとも微妙に違う、独特のもちもち感が口に広がる。「伸びやすいので早めに食べてください」と言われるのだが、あえて少し時間を置くと、独特のもちもちからうどんの味わいに変わるのも楽しかった。もちろん、店のおすすめ通り伸びる前に食べるのが一番おいしいのは間違いないのだから、味わいと歯ごたえの変化に興味のある方は一口だけを時間差で食べてみて欲しい。
癖になりそうなもちもちのうどんパスタ。パスタランチにも前菜としてたっぷりの野菜がセットされる。
最後にOTABAの名前の由来について。
「オタバ」という店名の半分は、姉妹店であるお多福からとったもので、これにアメリカ発のコーヒースタンドの名前をもじって名付けたのだとか。ロゴに描かれているソラマメのような形も、実はお多福面のシルエットなのだ。なんともしゃれた遊び心にあふれている。
浅野川を見下ろせる2階席は、靴を脱いでくつろげる。たっぷりと入る陽の光が心地いい。
※価格はすべて税込
取材日時2020年6月15日
取材・文 小杉智美
店舗情報
店舗名 | 小橋カフェ OTABA |
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住所 | 金沢市彦三町1-9-31 |
電話番号 | 076-222-7811 |
営業時間 | 10:30~17:00(ランチタイム11:00〜14:30L.O.) |
定休日 | 水曜 |