バー初心者でも入りやすい、隠れ家みたいな「キッチン&バー なかじ屋」
金沢一のディープゾーン・新天地商店街にあって、気軽に尋ねられるのが「キッチン&バー なかじ屋」。店内に流れる昭和歌謡や壁に貼られたレトロ風ポスター。昭和生まれのマスターが出迎えてくれる。
オーセンティックな雰囲気も漂うレトロなバー
カウンターに席が7席。座れば隣り合う同士が肩を寄せ合うような小さな店。壁に貼られたレトロ風なポスターや振り子時計がレトロ感を漂わせる「キッチン&バー なかじ屋」だ。それでいて、どこかオーセンティックな雰囲気があるのは、店内が落ち着いた色調で整えられていることに加え、オーナーであり料理人、バーテンダーも兼務する中嶋さんの纏う穏やかな空気感だろうか。
老舗のオーセンティックバーの雰囲気とレトロ感が心地よく混ざり合う店内
なかじ屋をオープンする際、中嶋さんがこだわったのは2つ。
ひとつは初めての人も入りやすい店にすること。その言葉通り、バーには珍しいガラスがはめ込まれた扉から、店内の様子を外からうかがえるようになっている。
もうひとつは、訪れた人同士が仲良くなれる店にすること。そのためのしかけの一つが店内に流れる昭和歌謡。「中森明菜とか、80年代、90年代のアイドル曲を流していることが多いですね。自分が若いころに好きだったのもありますが、曲をきっかけにお客さん同士の会話がはずんだりするんですよ」。
オーナーの中嶋さん。「このまちの纏う雰囲気が大好き」なのだという。
凝り性のマスターが作る絶品おつまみ
以前、この商店街で勤務していた時は、もつ焼きや焼きとんの店。他にもバーや居酒屋チェーンなど、様々な飲食店で働いた経験がある中嶋さんの作るつまみは幅広く自由。
決まったメニューはほとんどなく、定番か季節限定か、運が良ければ試作に出会えることもあるのだとか。
その日のつまみは黒板に列記。低温調理でしっとり仕上げたレバーや店内仕込みのジャーキーなど、400円から頼めるものも多いため、財布にも優しい。
艶やかにしっとり仕上げられた「レバーポン酢(600円)」。低温でじっくり1時間かけて火を通すのだとか。
噛みしめるほどに旨味があふれる「トンタンのジャーキー(400円)」。
中嶋さんの遊び心をプラスしたおすすめメニューも時々。昭和演歌の大ヒット曲になぞらえて「あぶったイカとぬるめの燗」。セットメニューではないが、こんな茶目っ気が客同士の距離も近づけるのだろう。
「あ~め雨、ふぅれ降れ、もっと降れ~」のフレーズでおなじみの「スルメイカ(600円)」
絶品のつまみに合わせるドリンクは、ビールから焼酎、日本酒にもちろんカクテルまで幅広い。とはいえ「ウチはカクテルを飲む人は少ない」のだそう。
チューハイ用の焼酎や瓶ビールは、レトロな店内になじむパッケージのものを選んでいるのだとか。日本酒もカップ酒というこだわりぶりだ。
レコードを持参して古き良き「昭和」を懐かしむ人も
昭和歌謡が流れるなかじ屋の隅には、レコードプレーヤーが置いてある。普段使いではないものの、これを見た客が自宅に死蔵されているレコードをプレゼントしてくれることもあるという。
「最近はレコードプレーヤーがない家も多いですから、ここで聴いていくというお客さんもいますね」。
ちなみに、中嶋さんのイチオシ昭和アイドルは中森明菜。壁にはレコードジャケットも貼られている。
店内でも、特に昭和感漂う一角。隅にはひっそりとレコードプレーヤーが。
営業時間はバーとしては早めの18時から。青春時代が昭和だった人も、今が青春真っただ中な成人も、バー初心者もベテランも。気負わず訪れることができる「キッチン&バー なかじ屋」で楽しいひとときを過ごしてみては。
立身出世のお地蔵様としても知られる「新天地地蔵尊」。昭和、平成、令和と、新天地商店街を見守り続けている。
Instagram : https://www.instagram.com/kitchenbar_nakajiya/
※価格はすべて税込み
取材日時 2024年3月14日
取材・文 小杉智美
店舗情報
店舗名 | なかじ家 |
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住所 | 金沢市片町2-3-22 新天地通り内 |
電話番号 | 080-6597-0097 |
営業時間 | 18:00~翌2:00 |
定休日 | 日曜(翌月曜が祝日の場合は営業) |