ハリウッドでも話題のヴィーガンランチを金沢の「ロサンゼルス」で
「ロサンゼルス」は、金沢城址公園/大手門口から近江町市場方面へ向かうとすぐの場所にある。観光の合間や、散策でお腹が空いた時、ランチをとるのに最適なカフェだ。
洗練された雰囲気のカフェ「ロサンゼルス」
緑が眩しい金沢城公園から大手門口を出ると、ゆるい下り道になっている。通りの左手に目をやると、おいしそうなハンバーガーの看板が見える。
金沢の伝統的な観光スポットの目と鼻の先にロサンゼルスが存在するのが面白い。
ビルの1Fに店を構える「ロサンゼルス」。
店内にはミニシャンデリアや壁にアートなどがあり、都会らしい洗練された雰囲気が漂っている。店の奥には大きな世界地図も。チャリティーで販売するTシャツやダルマも展示されている。
金沢の無農薬野菜を堪能できる驚きのランチ
人気No.1のランチセット「ベジコンビネーションランチ」(1,800円)。
ランチを注文すると、まず運ばれてきたサラダの大きさに驚く。
どんぶりサイズの木製ボウルに、ぱっと見ても10種類以上の野菜が盛り込まれている。
ニンジンやレンコン・ビーツなど、普段あまりサラダに使うことのない野菜が入っているのも嬉しい。
食べてみると野菜によくあるエグみがなく、それぞれの野菜の甘みが感じられる。しかも、どれもみずみずしい!
「ロサンゼルス」のサラダで野菜本来のおいしさが楽しめる訳は、完全無農薬栽培の「金沢産」の野菜を、厳選して使用しているからなのだそう。
魚介類がおいしいことで有名な金沢だが、こんなにもおいしい野菜が作られているとは驚きだ。
最初は量が多いと感じたサラダも、優しい味の自家製ドレッシグが野菜によく絡み、1種類ずつ野菜の味を楽しんでいるうちに食べ終わっていた。
ここで、メインのテリヤキバーガーが。
パテとレタスを挟んだ温かいバンズはフワフワ。ボリュームのある、ぶ厚いハンバーガーを豪快にかぶりつくのが楽しい。
パテは焦げ目のついた表面がパリッと香ばしく、肉厚。
ひと噛みごとにジューシーなうまみが溢れ、コッテリとしたテリヤキソースやマヨネーズの酸味が絡みあって、食が進む。
たっぷりサラダ、ボリューミーなこってりバーガー、野菜のダシがきいたスープを平らげると、お腹ははちきれんばかり!
食後にアーモンドラテでひと息つく。
珍しいラテなのでオーダーしてみたが、牛乳で作った一般的なものより、アーモンドのフルーティーな香りがして後味がサッパリしている。
ここで店主の森島幹博さんからネタ明かしが。
なんとこのハンバーガー、動物性の食材が一切使われていないという!
たしかに、パテは何の肉かわからないような不思議な食感ではあった。
それにしても、このドッシリとした食べ応えがすべて植物性のものだったとは驚きだ。
欧米セレブの間で大人気のヴィーガン
ヴィーガンとは?店内で読めるセレブ雑誌『GOSIPPS』のヴィーガンセレブ特集号で手軽に詳しく知ることができる。
ヴィーガン(ビーガン)とは、衣食住に動物性のものを取り入れない生活様式のことだ。
・ダイエット
・美容
・健康
等に役立つということで、欧米セレブの間では大流行のライフスタイル。日本でも健康志向が高まる近年、幅広い世代でヴィーガンを生活に取り入れる人が増えている。
「お客様から、酷い便秘だったのにウチで食事をしたらお通じがきた!とか、嬉しい報告を頂くこともあります」
こう話す森島さん自身も、このお店をオープンしてから1年でなんと10kgも体重が落ちたそう!
意識的にダイエットに取り組んだ訳ではなく、店でまかないを食べ続けていたら、自然とスリム体型になったのだという。
店内のハリウッド雑誌によると「体型を保つために週末だけヴィーガン」を実践するハリウッド女優も多いようだ。
短期間で体に嬉しい効果が期待できるというヴィーガン。「ロサンゼルス」でランチをしながら記事を読んでいると、その効果を自分でも試してみたくなる。
3.11で考えさせられた食の安全
「ロサンゼルス」店主の森島さんは、2011年3月11日の東日本大震災のため福島県から石川県に避難してきた。
ダイエット目的でヴィーガンを始めた訳ではなく、震災をきっかけに子供の父親としての視点から「食の安全性」について考えるようになったそう。
オーガニック食材やアレルギー対応メニューにもこだわったヴィーガンカフェの経営は、容易なことではない。
しかし「アレルギーの子供連れ客が、メニューを選べるというだけで喜んでくれる。やっててよかったと思う瞬間です」と森島さんは話してくれた。
グルテンフリーほかアレルギー特定原材料7品目不使用のケーキ販売なども行っている。
クッキー300円~、ケーキは予算や要望に応じて、完全予約制。
森島さんが手がける「金沢市・食のバリアフリーMAP」。
森島さんは金沢市と連携して、アレルギーやベジタリアン、ヴィーガンに対応できる店の見える化に取り組む活動も行っている。
また店内で外国人観光客を対象に、3.11の惨状や福島の現状について話す語り部としての役目も精力的にこなす。
父親・語り部・カフェ店主・食のバリアフリーMAP事務局長と、四足のわらじを履き毎日大忙しという森島さん。
なぜ、そんなにがんばり続けるのか聞いてみると、
「これまで、多くの縁で生かされてきました。金沢は生まれた場所ではないけれど、自分にできることで少しずつ地域と繋がっていきたい」と、語ってくれた。
力強い独特の語り口と、信念と情熱、おいしい料理がある限り、彼のもとにはいつまでも人が集まり続けるのだろう。
※価格はすべて税抜
取材日:2019年5月8日
取材・文 : 廣中 恵
店舗情報
店舗名 | LOS ANGELES(ロサンゼルス) |
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住所 | 大手町2-25ー101 |
電話番号 | 076-225-7573 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 不定休(イベントのため貸切の場合もあり) |