兼六園と金沢城を一望! 殿様気分も味わえる「HOTEL AO KANAZAWA」

兼六園下交差点に面して建つ「HOTEL AO KANAZAWA」。かつては百万石の加賀藩主の居城であり代々の藩主が長い年月をかけて整えた名庭園を眼前に見るこの場所は、金沢でもトップクラスのロケーションであることはもちろん、物理的にも金沢の中心。直営の和食レストランと鮨屋を備え、観光だけでなくビジネスユースにもぴったりだ。

日本を代表する名園・兼六園の目の前に建つホテル

日本三大庭園にして加賀百万石の城下町金沢のシンボル的存在である兼六園。その目の前に2024年9月にオープンした「HOTEL AO KANAZAWA」。軽井沢を拠点に置き、東京や横浜、名古屋、シンガポールなど国内外に店舗を構えるレストラン「酢重正之」が展開するホテルだ。

 

「HOTEL AO KANAZAWA」

兼六園と金沢城公園を繋ぐ石川門からの「HOTEL AO KANAZAWA」。茶のタイルに青が映える

 

建物は1966年に建てられた5階建てのオフィスビルをリノベーションしたもの。重厚感のあるクラシックなタイル張りの外観はほぼ当時のまま。周辺の雰囲気に溶け込みながらも、確かな存在感がある。
何より兼六園下交差点に面した抜群のロケーションは、四季の移ろいを感じられると同時に、金沢市のほぼ中心にあるためアクセスも抜群。金沢駅をはじめ市内東西を結ぶバスはもとより自動車利用の際も、すぐ近くに県営の大型駐車場がある。何より、ホテルにたどり着くために道に迷うことがないことも、観光客やインバウンドにうれしいポイントではないだろうか。

 

 

兼六園・金沢城

兼六園は金沢市内有数の桜の名所。春はこんな景色も独占できる(写真:金沢市)

 

さまざまな「青」と出会える7タイプの客室

2~5階に設けられた客室は7タイプ15室。どの部屋も壁の一つはホテル名にちなんだ青色。部屋ごとに少しずつ違う青を使用しているため、何度も訪れて雰囲気の違いも味わえる。

最上階に設けられているスイートルームは2室。滞在型の旅行でもゆっくりとくつろぐことができる、ゆとりのある室内にキングサイズの広々としたベッド、大きな窓からは兼六園を望むことができる。スイートルームにはフィンランド式プライベートサウナまで設えられている。

 

「兼六スイート」

兼六園や金沢城石川門を正面に望む「兼六スイート(21,770円~/人)」

 

スイートルームとスーペリア、スタンダード、兼六ツインの部屋にはそれぞれ、兼六園や金沢城、金沢の町並みを見下ろすことができる大きな窓がある。室内に居ながらにして金沢らしい景色を堪能できるのは、このホテルならでは。

一方、琉球畳の小上がりのある和洋ミックスの雰囲気が漂うタタミと最大4人が宿泊できるロフトは窓のないコンパクトに整えられた部屋だ。とはいえ高めに作られた天井やゆったりとしたアメニティスペースなどによって狭さは感じない。むしろ包み込まれるような柔らかい落ち着いた空間となっている。

 

ロフト

ロフトは就寝の際に布団を敷くスタイル。それまではリビングのように使うことができるのも旅の楽しみを広げてくれる(7,550円~/人)

屋上

宿泊客限定で解放される屋上(天候などにより閉鎖の日もあり)。兼六園と金沢城を眼下に収める眺望に百万石の殿様気分が味わえるかも

 

まるでアクセスのいいオーベルジュ

「HOTEL AO KANAZAWAをアクセスのいいオーベルジュだと思っていただけたらうれしい」と話してくれたのは支配人の冨永氏。
「オーベルジュ」とは、「宿泊施設を備えたレストラン」のこと。発祥はフランスで、地元食材をふんだんに使った、その地方でしか食べられない食とワインを求めて訪れる客に、宿泊できる部屋を提供したのが始まりといわれる。
ホテル内で飲食を提供するのは2店舗ある。宿泊客だけでなく、レストランのみの利用も可能だ。
ひとつはメインダイニングである「食処 金沢 酢重」。
地元食材をふんだんに使っているのはもちろん、米は店内の精米室で毎日、精米される地元米、漬物も店内に設けられた醗酵室で漬けた自家製だ。器も輪島塗、山中塗に九谷焼、福井の若狭塗など、当地のものを中心に使用し、料理を彩っている。

 

「兼六 金酢膳」

ランチのおすすめは「兼六 金酢膳(4,180円)」。選べる主菜に副菜1品、小鉢が4品つく充実の膳

 

ディナータイムは、会席タイプの「金酢コース(7,700円)」と出荷頭数が少なく「幻の牛」と呼ばれる能登牛が堪能できる「牛すきコース(13,200円)」で、たっぷりと金沢の味覚を楽しめるが、夜の金沢 酢重はメインダイニングであると同時に、気軽な居酒屋でもあるのが特徴のひとつ。
金沢おでん、治部煮、地魚の煮物といった加賀料理、五郎島金時や加賀レンコンの創作料理など、地元素材を使った一品料理がずらりとラインナップされている。

 

「利き酒セット」

北陸の山海里の幸を肴に北陸の地酒3種が飲み比べられる「利き酒セット(1,760円)」で杯を傾けるのもGOOD

 

もう一つはホテル2階にある「金沢 鮨 松の下」。
一枚板のカウンターで兼六園の景色と職人の手仕事を眺めながら、鮨が堪能できる。
特徴的なのは、コース仕立ての食べ放題(13,200円)があること。20種類以上並ぶネタから「好きなものを好きな順番で、好きなだけ」食べてもらうための趣向なのだという。「鮨は多くの人に好まれるだけに、好みのネタも最初に食べたいものも人それぞれ。思う存分ご自身の好きを満喫していただきたい」というのが食べ放題に込められた思いだ。
あまり多くは食べられないという人はお好みで8貫をチョイスするコース(7,700円)もある。

 

食べ放題

どちらのコースにも先付、刺し盛、小袖寿司2貫(北陸甘エビの自家製麹漬け、かますの昆布〆)、茶碗蒸し、みそ汁がセットになっている

 

古都・金沢の中心で、居心地のいい部屋と抜群の眺望、満喫グルメのすべてを堪能できるHOTEL AO KANAZAWA。観光客だけでなく、地元に住む人にもぜひ味わってもらいたい。

 

※価格はすべて税込み

取材日時 2024年11月28日

取材・文 小杉智美

店舗情報

店舗名 HOTEL AO KANAZAWA
住所 金沢市兼六元町1-1
電話番号 076- 223-4630
営業時間 チェックイン15:00~、チェックアウト11:00  /金沢 酢重 朝7:00~10:30(最終入店9:30)、昼11:00~16:00(L.O.16:00)、夜16:00~22:00(L.O.21:00)  /鮨 松の下 昼11:00~16:00(L.O.14:00)、夜17:00~23:00(L.O.21:00)
定休日 無休