【金沢・主計町茶屋街周辺】泉鏡花記念館から歩く、人混みを避けた穴場的、文学散歩
金沢の三文豪の一人、泉鏡花の生家跡に建つ「泉鏡花記念館」をスタートし、その周辺の穴場スポットを巡ったあと、浅野川沿いの主計町(かずえまち)茶屋街を歩きます。主計町茶屋街周辺は、主要観光地の一つであるひがし茶屋街の近くでありながら人が少なく、風情も十分。金沢駅からも徒歩圏内、何度も金沢を訪れるリピーターの方にもおすすめしたいコースです。
昼からスタートafternoon start!
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【11:30】金沢ふらっとバス「町民文化館」バス停スタート
百万石通り沿いの金沢ふらっとバス(此花ルート)「町民文化館」バス停をスタート。近江町市場から近く、金沢駅からも徒歩圏内です。同じく金沢ふらっとバス(此花ルート)「彦三緑地」で降りるのも良さそうです。
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【11:40】金沢三文豪の一人、泉鏡花のルーツを知る。生家跡にある「泉鏡花記念館」へ
百万石通りから一つ入った「新町・鏡花通り」に面した「泉鏡花記念館」へ。バス停からは5分ほど歩きます。鏡花が自身が生まれた酉年の“向かい干支”である兎に愛着を持ち、多くの兎グッズを集めていたという話は知られていますが、下新町では、それぞれの建物の玄関に、兎の絵が描かれた行燈が掛けられています。 「泉鏡花記念館」は、木造二階建てと土蔵三棟からなる建物を改修して、記念館として公開されたとのこと。3つの展示室とコミュニティスペースがあり、多くの作品や鏡花の生涯に触れることができます。自筆原稿や書簡、鏡花が集めた兎コレクションの展示もあります。ビデオ上映コーナーもあり、鏡花の世界に浸ることができます。 「泉鏡花記念館」 住所 金沢市下新町2-3 電話 076-222-1025 時間 9:30〜17:00 休館 年末年始、展示替え期間 入館料 310円
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館内は撮影禁止ですが、広くない館内ながら内容は充実。ミュージアムショップには「泉鏡花記念館」限定のグッズもいろいろ販売されていました。絵本『化鳥』のマスキングテープが、ガチャポン(500円)で入手できます。絵本&マスキングテープ好きとしては、たまらない限定グッズ。白・黒・茶の3種類のうち、黒のデザインのものが当たりました。
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【12:10】柳宗理ファンの聖地!? 泉鏡花記念館からそのまま行ける「柳宗理記念デザイン研究所」
日本を代表する工業デザイナー、柳宗理氏を記念した記念デザイン研究所。柳宗理氏の作品や功績を紹介したパネルが展示されている、無料の施設。金沢美術工芸大学の教授を務めていたことから金沢に作られたそう。泉鏡花記念館と背中合わせのロケーションで、裏口からそのまま入れます(写真は百万石通り側にある正面入口)。
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インテリアショールームのような空間。本来は実際に展示物を手に取ったり、椅子に座ったりできるそうですが、今はコロナウィルス感染予防のため、触れられないのが残念。
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家具やキッチンツールなど、施設内には約200点の作品が展示されています。機能性に優れ、シンプルながら洗練されたデザインのキッチン用具が並びます。うーん、こんなキッチンに憧れます。
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柳氏の代表作である『バタフライ・スツール』も展示されています。羽を広げた蝶のようなデザイン性の高いスツール。木目といい曲線の柔らかさといい、その美しさに惚れ惚れします。
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【12:30】石うす挽きのおそば屋さん、「手打そば処くら」
おなかがすいたので、ランチタイム。「泉鏡花記念館」「柳宗理記念デザイン研究所」がほど近くにあるお蕎麦屋さん、「手打そば処くら」へ。通り側からもガラス越しに石うすが見られます。
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福井県産と北海道産の蕎麦を石臼挽きした蕎麦粉で打った手打ち蕎麦が人気のお店。店内はコロナ対策で、座敷は一卓おき、テーブルはパーテーションで区切られていました。平日(金曜)でしたが、やはりランチタイムはほぼ席が埋まっていました。 注文したのは「天せいろそば」(税抜1400円)。細めで、コシのある上品なお蕎麦でした。海老、シソ、茄子などの天ぷらもサクサクで美味しい。ご馳走さまでした! 「手打そば処くら」 住所 金沢市下新町2-10 電話 TEL 076-221-0659 営業時間 11:00~20:00 店休日 火曜日 駐車場 3台
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【13:15】すべてご主人の手づくり! 石川県の県木、あすなろを使った木工細工のお店、「あすなろ細工 かみや」
「手打そば処くら」と「泉鏡花記念館」の間に位置する、「あすなろ細工店かみや」。石川県の県木のあすなろ(アテ、ヒバの呼び名も)を使ったアクセサリーや小物を製造販売しています。
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中に入ると、ところ狭しとご主人の作品が並んでいます。店先や店内に並ぶ作品の数々は、すべてご主人の紙谷久仁彦さん(86歳)の手づくり! ご主人の故郷、能登輪島のあすなろ(ヒバ、アテの呼び名も)で、幹や枝、葉など自然を活かした作品を作り続けて、60年以上(!)になるそうです。 「なるべく自然のままの形を生かしたい」と紙谷さん。木の節を猫の鼻に見立てて細工したり、枝分かれした幹でバレリーナの姿を表現したり……紙谷さんの解説を聞きながら作品を見ているだけでも楽しい。金沢の個性派なお土産探しにもおすすめです。
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カラーとモノクロ、2種類のポストカードセットを購入しました(カラー5枚セット200円、モノクロ8枚セット200円)。こちらもすべて、あすなろの幹や枝、葉の素材がデザインに生かされています。
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【13:45】橋場町交差点で目を引くレトロな建物、「金沢文芸館」へ
レトロな建物が目を引く「金沢文芸館」。金沢三文豪(泉鏡花、徳田秋声、室生犀星)をはじめ、多くの作家を輩出している金沢の文芸の拠点となるべく、05年に開設されました。建物は国登録有形文化財に登録されているそう。2階「金沢五木寛之文庫」には、金沢ゆかりのある作家・五木寛之氏の著作や直筆原稿、愛用品なども展示されています。(写真:金沢市提供) 「金沢文芸館」 住所 石川県金沢市尾張町1-7-10 電話 076-263-2444 営業時間 通年 11:00~18:00 定休日 毎週火曜/年末年始
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金沢文学館を出て、信号を渡ります。浅野川沿いの「鏡花のみち」を経由して、主計町茶屋街方面へ。冷たく澄んだ空気に身が引き締まります。
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主計町茶屋街。金沢の町家が続く、風情のある道。人が少なく、金沢らしさをのんびり味わえる、穴場の通りです。
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【14:30】「鏡花の道」を経由して、主計町茶屋街へ。町家カフェ 「 土家 」で一息
浅野川沿いの主計町にある町家カフェ 「土家 」に来ました。月、火、水はお休みなので行くタイミングにはご注意を。大正2年に建てられた、もともとはお茶屋さんだったそうです。金沢では典型的な茶屋形式の建築とのことですが、ひがし茶屋街の茶屋とくらべると、間口が狭いそうです(市指定伝統建築物)。 カフェ「土家」 定休日 月・火・水曜日(祝祭日は営業) 時 間 午前10時頃より午後4時頃まで
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スペシャルコーヒー(税込み500円)を頼みました。待っている間、お茶と羊かんのサービス。お部屋の雰囲気も相まって、これだけでかなりの満足度があります。2階のお座敷でお茶を飲むこともできます。ゆっくりくつろげる空間です。
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座ったのは1階、川側に面した席です。繊細な縦格子は木虫籠(キムスコ)というのだそう。金沢の木虫籠は、京都などの町家に見られる一般的な格子に比べ、細く、狭い作りになっているとのこと。外からの視線をゆるやかに遮蔽し、自然光が緩やかに差し込むようなデザインになっています。浅野川沿いの木々を眺めながらコーヒーをいただけます。
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注文したスペシャルコーヒー(500円)。サービスでいただいた羊かんと一緒にいただきます。ご主人とゆっくりお話しながら、コーヒーを飲む時間は至福のひとときでした。
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全国で初めて旧町名を復活させた主計町。「主計町」の石碑に、「町名復活の経緯」を記した銘板が設置されています。町名には、その土地の歴史やルーツが表れていることも。町名を調べれば、意外な歴史を知れるかもしれません。
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【15:30】「橋場町」バス停前でゴール!
金沢・主計町茶屋街周辺の穴場スポットのご紹介はいかがでしたでしょうか。金沢の文学に触れ、風情ある金澤町屋をゆったりと堪能できる、金沢リピーターの方にもオススメのコースです! ※このコースは2020年12月18日に行って来ました。新型コロナウイルスの影響で、営業形態、営業時間や定休日が表記と異なる場合がありますので、ご利用の際は必ず事前にご確認ください。
ゴールFinish!