あたらしくて古い街、金沢で文学・哲学とレトロとモダンな建築散歩

金沢といえば、四季折々の美味しい食事、加賀友禅や九谷焼などの伝統工芸、そしてやはり兼六園や武家屋敷など加賀百万石の武家文化を受け継ぐ城下町。でもあるのですが、室生犀星や泉鏡花、徳田秋声などの文豪をはじめ、数々の作家を排出した「文学のまち」でもあるのです。

朝からスタート

からスタートmorning start!

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    【9:30】金沢の中心・香林坊前からスタート

    【9:30】金沢の中心・香林坊前からスタート

    金沢文学建築さんぽのスタートは、金沢の中心地・香林坊アトリオ前からスタート。

    • 香林坊までは、金沢駅東口からたくさんのバスが出ていますよ。 金沢駅東口出てすぐ目の前の5番乗り場からは金沢観光に便利な100円で乗れる「まちバス」も出ています。 「香林坊大和・アトリオ前」で下車し、まずは「いしかわ四高記念公園(旧中央公園)」にある『石川四高記念文化交流館』へと向かいます。

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    【9:35】赤煉瓦の建物が目を惹く『石川四高記念文化交流館』

    【9:35】赤煉瓦の建物が目を惹く『石川四高記念文化交流館』

    香林坊から兼六園へと百万石通りを行くと左手に、まるでそこだけ時間が止まったかのようなレトロでノスタルジックなレンガ造りの建物が現れます。この赤煉瓦の建物が『石川四高記念文化交流館』、旧四校の校舎です。また、昭和44(1969)年 には国の重要文化財にも指定されています。

    • 『石川四高記念文化交流館』は、明治26(1893)年から昭和25(1950)年までの約60年間、旧第四高等学校の校舎として使用されてきた建物。 閉校後は、金沢大学や石川県立郷土資料館(現石川県立歴史博物館)としても使用されてきましたが、現在は旧四校の歴史と伝統を紹介する『石川四高記念館』と、石川県ゆかりの文学者を紹介する『石川近代文学館』で構成されています。

    • 『石川四高記念文化交流館』正面入って左側が、旧四校の歴史と伝統を紹介する『石川四高記念館』です。 こちらの『石川四高記念館』のエリアは無料で見学できます。 1階の展示室には、旧四校の歴史や旧四校生の勉強ノートや授業の教材などの資料が展示されています。 寮生活の娯楽?でもあったという生徒が描いた漫画も展示されていてなかなかに面白いです。無料とは思えぬ充実ぶりです。

    • 『石川四高記念館』側の1階奥と2階は多目的利用室になっていて、講座や学習、発表の場として利用することもできるのです。 よく朗読会などのイベントが催されていたりしますよ。

    • 当時の教室が再現された部屋もあり、旧四校生の学生生活?の雰囲気を垣間見ることもできます。 よく見ると机と椅子が一体になっていて、椅子を引けないんですよね。 やはり規律正しい学生生活だったのでしょうかねぇと想像がふくらみますね。

    • 『石川四高記念文化交流館』入って右側が、石川県ゆかりの作家を、著書・自筆原稿・愛蔵品などとともに紹介するミュージアム『石川近代文学館』です。 金沢の三文豪、泉鏡花・徳田秋聲・室生犀星をはじめ、現代の作家、直木賞作家の唯川恵さんや芥川賞作家の本谷有希子さんなど、たくさんの文学者が紹介されていて、文学好きにはたまらない場所です。

    • 『石川四高記念文化交流館』でうっかり見逃しがちなのが、正門入って左手にある淡いピンク色の木造小屋。 現在は使われていませんが、元々は守衛の詰所であった門衛所です。 この建物も旧四校本館が落成した明治26年の同時期に建てられたものだそうです。

    • <石川四高記念文化交流館> ◯ 入館料 [石川四高記念館]無料、[石川近代文学館]一般 370円、大学生 290円、高校生以下無料 ◯ 開館時間 [展示室]9:00~17:00(入館は16:30まで)、[多目的利用室・レトロ体験室]9:00~21:00 ◯ 休館日 年末年始※展示入替等で休館する場合あり ◯ 住所 金沢市広坂2-2-5

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    【10:20】大正時代に建てられた旧県庁舎『しいのき迎賓館』

    【10:20】大正時代に建てられた旧県庁舎『しいのき迎賓館』

    『石川四高記念文化交流館』と紅葉が美しい「アメリカ楓通り」を挟んで隣にあるのが『しいのき迎賓館』。大正時代に建てられた旧石川県庁舎で、現在は、周辺の総合観光案内や、レストラン・カフェ、会議室、ギャラリーなどの憩い・交流施設となっています。訪れた日が金沢マラソンの前日だったこともあり、エントランス前に金沢マラソンのスタートゲートがあるというレアな写真が撮れました。

    • 大正ロマンな雰囲気漂う玄関ホールや中央階段はまるでタイムスリップしたかのような歴史ある厳かな佇まい。 カフェやレストランも併設されているので、金沢まち歩きの休憩スポットとしてもおすすめです。 <しいのき迎賓館> ◯ 開館時間 9:00〜22:00 ◯ 定休日 年末年始 ◯ 入館料 無料(ギャラリー等では有料展示を行うこともあります) ◯ 住所 金沢市広坂2丁目1番1号

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    【10:30】金沢最古の宮『石浦神社』

    【10:30】金沢最古の宮『石浦神社』

    兼六園横、金沢21世紀美術館の前にある『石浦神社』は、なんと古墳時代に創建されたという金沢最古のお宮です。縁結びにご利益があるとされていて、境内にある百一基の朱塗りの鳥居が連なる参道は必見です。

    • 令和元年に設立された「101鳥居」。 朱塗の鳥居が連なる様はなんとも素敵ですねぇ。 <石浦神社> ◯ 社務所 9:00〜17:00 ◯ 無休 ◯ 住所 金沢市本多町3-1-30

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    【10:45】旧本多家住宅長屋門

    【10:45】旧本多家住宅長屋門

    中村記念美術館の横、本多公園にある『旧本多家住宅長屋門』。この長屋門は本多家上屋敷に隣接した本多内記家の長屋門の主要部を明治初期に移築したもので、江戸時代末期に建てられたものだそうです。

    • 長屋門は、奉公人の住込み部屋と門が一体となった建物のことです。 正門ではないんですよね、通用門のようなものでしょうかね。 本多家の分家の長屋門でこの大きさですからね、さすが大名家をしのぐ禄高を誇った本多家といった感じですね。 <旧本多家住宅長屋門> ◯ 住所 金沢市本多町3丁目2(本多公園内)

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    【10:50】緑豊かな『緑の小径』

    【10:50】緑豊かな『緑の小径』

    『旧本多家住宅長屋門』がある「本多公園」の奥には、『中村記念美術館』と『鈴木大拙館』を結ぶ『緑の小径』と呼ばれる散歩道があります。

    • 金沢の市街地にあるとは思えない緑あふれる小径です。 四季折々の景色が楽しめる散歩道でもありますね。 ちなみに『中村記念美術館』から『鈴木大拙館』へと続く小道は『緑の小径』ですが、『中村記念美術館』と『石川県立美術館』を結ぶ『美術の小径』もありますよ。

    • 『緑の小径』を進むと『鈴木大拙館』の「水鏡の庭」の裏側にたどり着きます。 <緑の小径> ◯ 住所 金沢市本多町3丁目2 ◯ 利用時間 9:30〜17:00(※鈴木大拙館の開館時間に合わせて通行可能)

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    【11:00】禅、哲学の世界観に触れる『鈴木大拙館』

    【11:00】禅、哲学の世界観に触れる『鈴木大拙館』

    『金沢21世紀美術館』から少し犀川方面へと歩いた先にある『鈴木大拙館』。「禅(ZEN)」の思想を世界に広めた鈴木大拙の考えや足跡を伝える場として、また、来館者自身が思索する場となることを目的として作られたミュージアム。館を設計したのは、こちらも金沢出身で、世界的に活躍されている建築家・谷口吉生氏で、「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」の3つの棟と、「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」の3つの庭によって構成されています。

    • 金沢の市街地とはいえ、やや奥まった住宅街の中にあるため、街中の喧騒はほとんど聞こえてこず、静かに佇んでいます。 「展示空間」と「学習空間」は、書や写真、著作など大拙を伝える資料が配置され、「知り・学ぶ」空間となっています。 考え・知り・学んだ後に続くのが、展示棟を抜けた先にある「思索空間」です。

    • 「水鏡の庭」にポツンと佇む「思索空間」は、まるでそこだけ水に浮かんでいるような不思議な雰囲気を醸し出しています。 「思索空間」へは、「水鏡の庭」を眺めながら「外部回廊」をわたっていきます。 ちなみにこちらからのアングルは館内からではなく、『緑の小径』から撮ることができますよ。

    • 「思索空間」の内部は、腰を落ち着け、長方形に切り取られた向こうに広がる景色をただぼんやりと眺めることができます。 真ん中の空間は、「見えない四畳半」と呼ばれているそうです。

    • 「思索空間」でふと真上を見上げてみると、真ん中に切り取られた円形の窓から光が差しこんでいました。 なんとも不思議な空間ですが、ぼんやりと心を落ち着けることで少しでも「禅」の心に近づけたでしょうか……

    • 「水鏡の庭」では、定期的にポコンと小さな噴水が起き、「水鏡の庭」全体へと広がる波紋を呼び起こしています。 そして落ち着き静かな水面に戻ります。 が、また水紋が起こり……と絶えず変化が続いています。 水紋の動きを眺めているだけでもなんとなく心が癒されていくような不思議な感覚になります。

    • <鈴木大拙館> ◯ 入館料 一般310円、高校生以下無料、65才以上または障害者手帳をお持ちの方、およびその介護人210円 ◯ 開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで) ◯ 休館日 月曜日・年末年始・展示替期間 ◯ 住所 金沢市本多町3-4-20 ※動画撮影はできません(全館) ※展示空間は撮影不可 ※フラッシュ、三脚、セルフィースティックの使用はご遠慮ください

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    【12:00】兼六園よりも古い『松風閣庭園』

    【12:00】兼六園よりも古い『松風閣庭園』

    「松風閣庭園」(しょうふうかくていえん)は加賀藩の重臣・本多家の屋敷の江戸時代初期に作られた池泉回遊式庭園。無料公開されているのですが、庭園への入り口は鈴木大拙館裏の連絡路からしか入れないという激レア庭園でもあります。

    • この『松風閣庭園』、作庭されたのは『兼六園』よりも古く、しかも『兼六園』の作庭の元にもされたとかなんとか…… また十字刻印が刻まれた南坊石があるのですが、これはこの近くに住まいがあったとされるキリシタン大名・高山右近縁の石だそうです。 そして庭の奥にあるお屋敷が、庭園名の由来ともなっている『松風閣』です。

    • 元々は藩主・前田家の寿々姫のお輿入れの際に建てられ、もっと大規模なものだったそうですが、度重なる移築と縮小で現在の場所にこのような形で残されました。 ただ建物内部は“非公開”!なんですね。ごくごく稀に特別公開される時もあるそうですが、普段は非公開なのです。残念。 <松風閣庭園> ◯ 開園時間 9:30〜17:00 ◯ 入園料 無料 ◯ 金沢市本多町3丁目2−1 ※「鈴木大拙館」が開館している時間帯のみ入園可能

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    【12:20】生誕の地にある『鈴木大拙胸像』

    【12:20】生誕の地にある『鈴木大拙胸像』

    『鈴木大拙館』を出て右に進み、最初の曲がり角を左折し、まっすぐ行くと右手に、“鈴木大拙”の胸像があります。

    • 鈴木大拙の生誕の地に建てられた大拙の胸像。 <鈴木大拙胸像> ◯ 金沢市本多町3丁目2

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    【12:30】『家庭料理と野菜マルシェ 畑の子』で新鮮野菜たっぷりランチ

    【12:30】『家庭料理と野菜マルシェ 畑の子』で新鮮野菜たっぷりランチ

    ランチは2022年3月、金沢市本多町にオープンした『家庭料理と野菜マルシェ 畑の子』へ。SNSでも話題で、ランチは予約必須の大人気店です。

    • 『家庭料理と野菜マルシェ 畑の子』は、金沢中警察署やMROの近くで、本多通りに面した場所にあります。

    • 通りに面したお店の軒下では新鮮野菜も販売されていました。 マルシェみたいな雰囲気で野菜選びも楽しそうですね。

    • 『畑の子』では、ランチ以外にもテイクアウト用にお弁当も11時半から販売されています。 お弁当も大人気のためすぐ売り切れてしまうそうなので、お早めに行くことをおすすめしますよ。 ただお弁当は電話でお取り置きもできるそうなので、どうしても食べたい時はお取置きという方法もありますよ。

    • 『畑の子』のランチはランチプレート1種類のみ、日替わりです。 汁物とドリンクが付いて税込1,500円。 プラス200円でデザートも付けられます。

    • この日は秋野菜たっぷりのワンプレート、さらに煮物などの小鉢と味噌汁もついてボリューム満点です。 ご飯は小盛り・中盛り・大盛りと選べます。 野菜の影に隠れちゃいましたが、肉団子も食べ応え抜群でした。 見た目も華やかで、旬のお野菜たっぷりで体にも栄養満点なランチです♪

    • 店内はカウンター席の他、2人掛け席と、4人掛けのテーブル席。 席数がそれほど多くないので、ランチもディナーも予約必須です。

    • <家庭料理と野菜マルシェ 畑の子> ◯ ランチ 11:30〜14:30(要予約) ◯ ディナー 18:30〜22:00(要予約) ◯ 弁当・野菜直売 11:30〜なくなり次第終了 ◯ 定休日 日・月曜日 ◯ 住所 金沢市本多町3丁目10-3 ◯ TEL 076-205-6630

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    【13:40】室生犀星文学碑と犀星の道

    【13:40】室生犀星文学碑と犀星の道

    大正から昭和初期にかけ、多くの文学作品を生み出した金沢の3文豪の1人、室生犀星。犀星は犀川沿いをこよなく愛し、よく散歩していたそうです。犀川大橋から桜橋に向かって川沿いの両岸が『犀星のみち』に制定されています。

    • 犀川上流の桜橋近くには、犀星の詩が刻まれた詩碑があります。 流し雛を型どった赤御影石の犀星詩碑を設計したのは、東宮御所や帝国劇場、ホテルオークラ東京の旧本館メインロビー等を手がけた金沢出身の建築家谷口吉郎氏。

    • 碑には、犀星の『抒情小曲集』「小景異情」の一節 “あんずよ花着け 地ぞ早やに輝け あんずよ花着け あんずよ燃えよ” が刻まれています。 犀星詩碑の頭上にはあんずの木が植えられていて、春には詩碑の頭上にあんずの花が咲き誇ります。

    • 室生犀星は、『抒情小曲集』の「犀川」で、 “美しき川は流れたり、その畔りに我は住みぬ” と記しています。 滔滔と流れる川と、遠くに望む山々の景色を、こよなく愛したそうです。

    • 犀川沿いは今でも市民の憩いの場、散歩道でもあります。 天気の良い日には、犀川の畔で、室生犀星の本を読みながら文学に耽るのもいいですね。 春にはたくさんの桜が咲き乱れるお花見スポットでもありますよ。 <室生犀星文学碑> ◯ 金沢市中川除町犀川河畔 <犀星のみち> ◯ 金沢市犀川畔(犀川大橋〜桜橋までの川沿いの道)

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    【14:00】犀川と寺町寺院群を結ぶ石段『W坂』

    【14:00】犀川と寺町寺院群を結ぶ石段『W坂』

    犀川に架かる桜橋を渡ってすぐ、寺町台地へと通じる坂道があります。藩政時代からある坂道で、元々は坂道の上に石伐職人が多く住んでいたことから、「石伐坂(いしきりざか)」と呼ばれていました。というか今でも正式名称は「石伐坂」なんです。

    • 「石伐坂」の近くにあった、『水辺の詩』と題された銅像。 由来などが書かれてないのでなぜここにこの像があるのかは分かりませんが、金沢は結構そういう像?モニュメント?がいっぱいあります。

    • 金沢でも「石伐坂」といってもピンとくる人は少ないのではないかと思いますが、「W坂」というと、あぁあの坂ね、とわかる人が多いのではないでしょうか。私もずっと「W坂」だと思ってました。 ご覧の通りクネクネと鋭角に折れ曲がり、ジグザグに登っていく坂を、旧四校の生徒が「W」の字に例えて「W坂」と呼ばれるようになったそうです。

    • 「W坂」の途中には、井上靖の小説『北の海』の文学碑があります。 井上靖も旧四校の卒業生で、「W坂」を上り降りして通学していたみたいです。 自身をモデルにした小説『北の海』では、「W坂」のことを、 “腹がへると、何とも言えずきゅうと胃にこたえて来る坂ですよ。〜(中略)〜なんで四高にはいって、こんなに辛い目にあわねばならぬかと、自然に涙が出てくる” と記しています。 通学路としてはなかなかに大変な坂道だったようですね。(笑)

    • と、思わず「ふふっ」となったのも束の間、結構ハードな坂ですね。 石段で登りやすいとはいえ、確かにお腹にきゅうとこたえてきます。

    • なんとか「W坂」を登り切ると、坂上の近くに「新桜坂緑地」があります。 眼下に犀川と金沢市街が広がる眺望スポットとなってます。

    • 「W坂」の先に続く細い路地を抜けると、寺町寺院群のある寺町通りに出ます。 <石伐坂(W坂)> ◯ 金沢市清川町、寺町

    • 寺町通りに出て、左へちょっと行った先に人気のパン屋さん『坂の上ベーカリー』があります。 ただ、売り切れ次第終了のため、お早めに行くことをおすすめします。この日は残念ながらすでにクローズしてました…… <坂の上ベーカリー> ◯ 営業日 水・木・金・土・日 ◯ 営業時間 8:00〜17:00(売り切れ次第終了) ◯ 金沢市寺町3丁目2−27

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    【14:30】「金沢の思ひ出」が記された『中原中也の碑』

    【14:30】「金沢の思ひ出」が記された『中原中也の碑』

    “汚れつちまつた悲しみに……”で有名な近世を代表する詩人・中原中也。実は中也は幼少期、金沢で過ごしており、その住居跡、現在は公園になっていますが、に『金沢の思ひ出』の一節が碑になっています。

    • 中原中也の碑がある公園の向かいには「大桜」で有名な『松月寺』があります。 『金沢の思ひ出』で、“住んでゐたのは野田寺町の照月寺(字は違つてゐるかも知れない)の真前、犀川に臨む庭に、大きい松の樹のある家であつた。”とあります。 おそらくここで書かれた『照月寺』は『松月寺』のことなんでしょうね。 <中原中也の碑> ◯ 金沢市寺町5丁目2−43

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    【14:40】金沢出身の世界的建築家のミュージアム『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』

    【14:40】金沢出身の世界的建築家のミュージアム『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』

    2019年7月に開館した『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』は、東宮御所(現赤坂御所)や東京国立博物館東洋館などの設計を手がけた日本を代表する建築家であり金沢市出身の、谷口吉郎氏の住居跡に建てられたミュージアム。設計は、吉郎氏の長男であり、ニューヨーク近代美術館やGINZA SIXなどを設計した世界的に活躍する建築家の谷口吉生氏です。

    • 館内は1階が受付、ミュージアムショップがあり、地階が企画展示室、2階が常設展示室になっています。 そしてこの『金沢建築館』の大きな特徴は、2階の常設展示室には、谷口吉郎氏が設計した現存する施設である 迎賓館 赤坂離宮 和風別館「游心亭」 の主和室と茶室が忠実に再現されているというこれまであまり見ないスタイルの展示なのです。

    • 「迎賓館赤坂離宮」は世界各国の賓客を迎える迎賓施設。 その主和室が忠実に再現された47畳と12畳の広間。

    • 能舞台のように設られた小間でのお手前を周りの椅子席から鑑賞し、お茶を楽しむことができる「茶室」。 このような空間で世界の来賓をもてなされてるんですねぇ。 ちなみに実際の赤坂離宮および和風別館は、接遇などに支障がないかぎり、有料で参観が可能です。(和風別館「游心亭」の参観は予約必要。本館は予約がなくても参観可能。)詳細は迎賓館赤坂離宮のサイトをご確認ください。(https://www.geihinkan.go.jp/)

    • 東京・赤坂まで行かずとも、金沢で疑似体験ができるとはまた不思議なものですね。 「広縁」の向こうに広がる「水庭」がまたなんとも美しく非日常な空間が広がります。

    • 広縁の椅子に腰掛けると目の前にはこのような風景が広がります。 ちょっと『鈴木大拙館』の「水鏡の庭」を思い出しますね。 まぁどちらも谷口吉郎氏の設計なので当然といえば当然ですが。

    • 『金沢建築館』の建物裏には、犀川河岸へと続く階段があります。 <谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館> ◯ 開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで) ◯ 入館料(常設展) 一般310円、高校生以下無料、65才以上または障がい者手帳をお持ちの方およびその介護人210円 ◯ 休館日 月曜日・年末年始・展示替え期間 ◯ 住所 金沢市寺町5-1-18

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    【15:30】芋スイーツパラダイス『いも屋cafe 楽 Tano』

    【15:30】芋スイーツパラダイス『いも屋cafe 楽 Tano』

    『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』の向いに、元フレンチのシェフが作るお芋スイーツが楽しめるカフェ『いも屋cafe 楽 Tano』がございます。

    • 『忍者寺』から寺町方面へと足をちょっと伸ばした先にある『いも屋cafe 楽 Tano』。 フレンチシェフという経歴の店主が営む、さつまいもスイーツの専門店。

    • 店内はカウンター席のみのこじんまりとした空間。

    • メニューボードにはなんとも心躍るお芋スイーツがずらり。 最近話題の冷やし焼き芋もありました。

    • 色々と食べてみたいところではありますが、ここはやはり看板メニューの「まるごと焼きいもブリュレ(税込700円 ※サイズによって価格の変動あり)」ですかね。

    • 焼き芋ブリュレに使用しているさつまいもは、しっとり甘いシルクスイートだそうです。 それぞれのメニューに合わせて一番合うさつまいもの種類を選んでいるそうです。こだわりがすごいですね。 ホックホクの焼き芋ブリュレを割ると中から溶け出したバイニラアイスとカスタードが見事にマッチして至福の甘さです。でもさつまいもなので甘すぎなくて食べやすい。

    • こちらは友人が頼んだ焼き芋トースト。 トーストの上の干し芋がしっとりとしてこれまた美味。 ちなみにランチ時には「焼きいもスパイスカレー(税込1,000円)」もあるそうで、こちらも気になりますね。

    • <いも屋cafe 楽 Tano> ◯ 営業時間 10:00~18:00 ◯ 定休日 火曜日 ◯ 住所 金沢市寺町5-5-10

  16. 16

    【16:20】芭蕉が金沢で詠んだ句が刻まれた『芭蕉句碑』

    【16:20】芭蕉が金沢で詠んだ句が刻まれた『芭蕉句碑』

    300年余り前、かの有名な松尾芭蕉は『奥の細道』の道中で金沢にも訪れています。そのため金沢市内にはたくさんの芭蕉の句碑があるのです。

    • 今回最後に訪れた芭蕉の句碑は、寺町から蛤坂を降り、犀川沿いを少し歩いた先にあります。 夕暮れ時の蛤坂はまたなんともいえぬ風情がありますね。

    • 犀川沿いにある小さな公園にある大きな石に、芭蕉が『奥の細道』の道中、金沢で詠んだ、 “あかあかと 日はつれなくも 秋の風” が刻まれています。 つい見逃してしまいそうですが、なかなかに見応えありますよ。 書は俳人・画家の小松砂丘によるもの。 <犀川河畔芭蕉句碑> ◯ 金沢市寺町5丁目1−33

  17. 17

    【17:00】犀川沿いをのんびり歩き『犀川大橋』で終了

    【17:00】犀川沿いをのんびり歩き『犀川大橋』で終了

    芭蕉句碑のある犀川沿い(犀星のみち)には、「金沢モリス協会」や「石田屋」さんなどもあり、ぷらぷらとウィンドウショッピングを楽しんだり、犀川をぼんやり眺めながらのんびり歩くのもおすすめです。旅の終わりはライトアップされた「犀川大橋」で。足を伸ばして片町で夜ご飯を食べに行くのもいいですね。 ※このコースは2022年10月29日に行って来ました。新型コロナウイルスの影響で、営業形態、営業時間や定休日が表記と異なる場合がありますので、ご利用の際は必ず事前にご確認ください。 ※今回訪れたお店では、感染防止対策としてアルコール消毒やスタッフのマスク着用を実施しています。

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