【広坂】こだわりの工芸作品が並ぶ店として「TOU」がリニューアルオープン!
2019年4月19日、アパレルショップだった「TOU」が工芸作家の作品が並ぶ店としてリニューアルOPEN!毎月、様々な作家の作品をむかえ、作り手の想いがつまった素敵な工芸品の数々の展覧会を行っている。
2019年5月17日(金)~6月2日(日) 林沙也加・藤原彩葉展
●林沙也加さんの作品(磁器)
白、淡い黄色やえんじ色、色が混じったマーブル調の器が並ぶ、シンプルで上品な器の数々。
お猪口やぐい飲みなどの酒器。
お猪口は飲み口が薄く、お酒の繊細さが失われずに飲めるよう工夫されており、それに比べてぐい飲みは飲み口が少し厚く、ぐいぐいとカジュアルにお酒を飲めるよう飲み口の厚さにも違いを出している。
酒器や器はろくろで作られており、お猪口のように、厚さを薄くしたり、横に広がる大きな平皿を作るのはとても難しく技術がいる。
シンプルで磁器ならではの色合いが楽しめる箸置きやカトラリーレストなども並ぶ。
焼き物は、大きく分けて陶器(土物)と磁器(石物)に分かれており、林さんの作品は磁器のものとなっている。
炭化焼成という技法で、炭と一緒に焼き上げることで、炭の成分と化学反応して色が変わるそう。
炭素が多いと黒っぽく、少ないと赤っぽくなり、その中間であれば黄色っぽい色となる。
黒や赤のはっきりとした色の違いを出すことはそう難しくはないが、微妙な色合いの違いを出すのは、なかなか難しい。
長い時間かけて冷ますことによって、淡い色合いになるそうで、色の混ざり合いが楽しめる器となっている。
●藤原彩葉さんの作品(ガラス)
目で見ていても楽しい、色鮮やかなグラス。
折り紙をモチーフとしたデザインで、「型吹き」という製法で作られている。一般的に機械で大量に作られるものは、「型吹き」が多いが、個人作家でそういった製法で作っている方は少ないそう。
グラスは想像していたよりも軽く、驚いた。
表面は、サンドブラストという製法で砂を吹きかけ、やすりで磨くことでマットな質感をだしている。
マットな質感に仕上げることで、陰影を出すことができ、より紙っぽさを再現することができる。
そういった部分にもオリジナル性を感じられた。
カラフルな色合い以外にも、シンプルで上品なグラスや、酒器、箸置きなども並ぶ。
展開図・デザイン~出来上がるまで約1か月。
色味のバランスも難しく、なかなか思い通りにならないこともしばしば。作品として出すまでに試行錯誤しながら出来上がった、こだわりの作品となっている。
今回「TOU」へ訪れた時、タイミングよく作家さんに会うことができ、こうして作品のお話を聴くことができた。オーナーの岩田さんは、「工芸品というものがより身近に、生活にとけこむような作品を届けていきたい」と語る。(作品は購入可能)
「TOU」ではこのような、作り手の想いが詰まった工芸作品を月替わりで楽しむことができる。(展覧会:3週間、休み:1週間のため、来店の際は要チェック)
今後は、器だけではなく、絵や染物なども予定しているそうで、その時々でいろいろな作品に出会えるのも「TOU」の魅力だ。
店舗情報
店舗名 | TOU |
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住所 | 金沢市広坂1-1-55田村ビル1階 |
電話番号 | 080-7691-5624 |
営業時間 | 11:00-18:00 |
定休日 | 不定休(展覧会の期間による) |