竪町の「7COLORS」はインスタ映えスムージーに出会えるカフェ

21世紀美術館から徒歩5分の「7COLORS」は、カラフルでフォトジェニックなスムージーが飲めるお店。美容にもいいスムージー目当てに訪れる女性客が絶えない。インスタ映えするスムージーの見た目だけでなく中身にもこだわる店主が、お店作りにかける想いとは。

 

「7COLORS」は、金沢の竪町ストリート沿いにある小さなカフェ。金沢観光で有名な「21世紀美術館」から歩いて5~6分ほどの距離なので、観光の途中にふらっと立ち寄りやすい場所にある。

 

SNS映えする「7COLORS」は竪町でも目立つ存在

「7COLORS(セブンカラーズ)」は、竪町ストリートのちょうど中心あたりにある。

淡いピンクとカラフルなチョークアートがおしゃれな、小さなカフェだ。

店内は全8席のこじんまりした空間だが、インテリアや壁の色、どれを撮っても写真映えする。

「7COLORS」では2018年のオープン以来、美しいカラフルなスムージーで、女性達の心をわし掴みにしてきた。写真つきのメニュー看板が、店の前に置いてあるせいだろうか。通りがかる女性のほとんどが立ち止まり、興味深そうに覗き込んでいく。

 

引きこもり主婦がJK人気のカフェオーナーに

中松さんは群馬県の出身。仕事の都合で金沢市にやってきた1人だ。

店主の中松さんは長年飲食店で働き、結婚を機に壽退社した。なかなか思うように子供を授からず、だんだんと気が滅入ってきて、やがて引きこもりになってしまったという。そんな状況をなんとかしたいと、ご主人の後押しもあって一念発起、飲食店を開業することにした。

「オーナー経験もないただの主婦がお店を開くなんて、自分でも思ってもいませんでした。本当に何も決まってなくて。ただ自分を変えたくて、必死だったんです」。

中松さんは、管理栄養士の妹さんの監修を受け、栄養豊富なスムージーが飲めるカフェを営むことに決めた。

食材の持つ自然の色だけを利用して、カラフルなスムージー作りに挑戦。

スムージーの表面には一つ一つ心をこめてスムージーアートを描いて、提供することにした。スムージーはなるべく出来たてを提供し、作り置きはしない。

こうして、「映える」カフェ、「7COLORS」が完成した。

 

スムージーアートにも、着色料は不使用。金箔ののった豪華なスムージーもある。

「女子高生のお客様がよく来てくれるけど、彼女らにとってはウチのメニューは安くないはず。飲んだら元気になってもらえなきゃ、意味がない」というのが中松さんの持論。儲けよりも、安全性と健康面を重視したいと話す。

誠実な商売を心がける中松さんが作るスムージーは、色合いも美しく体にもいいので、またたく間にインスタグラムなどで拡散された。有名になるにつれ、テレビの取材まで来るようになったという。「7COLORS」は連日、女性客を中心に大人気だ。

 

インスタでも話題のカラフルなスムージー

中松さんが作る「7COLORS」のスムージーは、3種類ある。

◆1番人気はピンクの「ドラゴンスムージー(650円)」。
ドラゴンフルーツのピンクが、グラスに貼られたキウイの緑やスムージーアートを引き立たせて、いっそう華やかだ。材料にはバナナ・リンゴ・ドラゴンフルーツを使用。
味は意外にもバナナが前面に出ていて、まったりとした自然の甘さが口の中で優しく感じられる。

◆「イエロースムージー(650円)」は、マンゴー・オレンジ・桃を使用。
味は甘さ控えめでさっぱりとしていて、程よい酸味となめらかな口当たりが心地よい。
こちらは女子の大好きなイチゴがグラスに貼られ、食べる楽しみもあると評判だ。

◆「7COLORSスムージー(700円)」は上記2種のいいとこどりで、ピンクとイエローの2層カラーでビタミンやミネラルも豊富。
仕上げに金箔をふりかけてもらえるので、見映えがひと際華やかだ。
2つの味が同時に楽しめて満足感が高く、1人で店を訪れた人からのオーダーが最も多いという。

 

オーダーがあるたび、中松さんは慣れた手つきでスムージーアートを描きあげる。

「書いてる時は無心になれていい。最初は手こずったけど、今は何も考えなくても描けます」

そう話す中松さんは日本体育大学の卒業生で、アートについて学んだ経験は一切ないそう。
にも関わらず、スムージーアートのデザインはどれも即興で描いているというからすごい。1つずつ違ったデザインで描いてくれるのも、人気の理由の1つなのだろう。

 

スムージー以外にもやりたい事がたくさん!

探求心旺盛な中松さんは「7COLORS」では常に新しいメニューを試作しているそうだ。
最近話題のボトルスムージー(600円~)を始めてみたり、イチゴ人気を受けて「あまおう」をふんだんに使ったイチゴシェイクなども開発中だという。次々と新しい客を呼ぶ取り組みをする中松さんは、近隣の竪町商店街の面々とも刺激を与え合っている。

「私は新参者で、竪町に人が溢れていた時代を知らないけど、少しでもこの街に活気を取り戻すお手伝いができたら嬉しい」

そう話す中松さんは、忙しい合間をぬって、商店街の寄り合いには必ず顔を出すようにしているそうだ。

「チョコバナナドッグ(480円)」は若い女性に人気だという。この日はブラジル産の豆で「ドリップコーヒー(400円)」を淹れてくれた。

ちなみに今、中松さんがハマっているのは、大好きなコーヒーでラテアートを描くことだという。おすすめのホットサンドと一緒にホットコーヒーをいただいてみたところ、スムージーが主力のカフェとは思えぬ本格的な味わいに驚いた。中松さんはコーヒーにこだわりがあり、市内でも厳選した自家焙煎の店から豆を仕入れているとのこと。

「ラテアートって、スムージーより相当難しい!まだまだ勉強中ですが、2号店3号店は同じ内容じゃなくて、何かしら新しいことをやっていきたいですね」。

1年前は引きこもっていた人物とは思えない程、中松さんの瞳は次の夢に向けて輝いていた。
1年後の彼女は、どうだろうか。新メニューとともに、今後とも彼女の活躍を期待したい。

 

※価格はすべて税込

 

取材日時 2019年3月6日

 

取材・文 廣中 恵

 

 

店舗情報

店舗名 7COLORS
住所 金沢市竪町27角谷ビル1F
電話番号 080-9293-8529
営業時間 12:00~18:00
定休日 水曜