似合うメガネとおしゃれCaféが一度に楽しめる「めがねのお店mito」

古くは金沢を潤した鞍月用水が流れるせせらぎ通り。その中程にひときわ目を引く黄色い外壁とメガネを模した丸窓がかわいらしい「めがねのお店mito」がある。

橋を渡って店に入る特別感に胸がおどる

鞍月用水に架けられた小さな橋を渡る。橋は途中から階段になっている。とはいえほんの23段。渡りきればすぐ目の前に「めがねのお店mito」の扉がある。

せせらぎ通りの鞍月用水沿いの店はどこもそうなのだけれど、この「橋を渡ってお店に入る」という行動は、ちょっと特別な場所を訪れるような、その橋がどこか別の世界に続いているような期待感を高まらせ、それだけでもう楽しくなってくる。

 

期待感を胸に扉を開けると、期待を裏切らない白とダークな茶色を基調とした落ち着いた色使いと、アンティーク調のシャンデリアといった少しクラシックな雰囲気を漂わせる店内に、特別感がますます高くなる。

 

店内に並ぶのは、きれいに整列した数百本のメガネフレームに加え、メガネ雑貨、それにメガネをかたどったアクセサリーなど。

どれもが見やすく手に取りやすいだけでなく、おしゃれにディスプレイされていて、スタッフのこまやかな心遣いまで伝わってくる。

 

店のロゴが入った巾着袋はスタッフのハンドプリント。中身はメガネのお手入れ用品がセットになっている。

 

 

 

「絶対に似合うメガネを選びます!」

外観や店内のかわいさに目をひかれがちだけれど、実は認定眼鏡士がいるとても硬派な店。

認定眼鏡士とは、メガネのことはもちろん、目の機能や近視のメカニズムなどについても学んだ専門家のことだ。

近視といっても、その度合いや近視がすすんだ経緯、ライフスタイルによって最適なメガネは千差万別。さらに最近ではファッションアイテムとしても人気が高いため、つい見た目重視で選びがちになる。mitoで扱うフレームの8割が日本製、残りがイタリアをはじめとしたヨーロッパ製なのも、デザイン性の高さが理由のひとつ。

メイドインジャパンが多いのは、日本人の顔かたちを熟知したデザイナーや職人の手で、細部までていねいに作られていること、耐久性が高いことも大きな理由。

 

一説によると、日本人の4000万人~6000万人が近視だといわれ、2019年に慶応技術大学医学部眼科学教室のチームが東京都内の小中学生を対象にした調査でも、小学生の76.5%、中学生は94.9%に近視の傾向が見られたという驚きの結果だったのだとか。

そんな中、お客様から寄せられるメガネの悩みのトップ3

・似合わない

・頭が痛くなったり、肩がこったりする

・長時間かけていると疲れる

なのだそうだ。

「メガネは視力矯正具であると同時に、顔の印象に大きく関わるファッションアイテムですから、選ぶ際にどちらを優先するか悩むのはすごくわかります」そう話すSS級認定眼鏡士の細井由加里店長は、30本を超えるメガネを持つ大のメガネ好き。その日のファッションやシチュエーションによって使い分けているという。

「お客様から『メガネが似合わない』『メガネをかけると目が小さく見える』などとご相談をいただきますが、ファッションアイテムとしてのメガネは本来、コンプレックスを解消することができるものです。『似合わない』と思っている方は、メガネが似合わないのではなく、選んだフレームがたまたま似合わなかっただけ。たとえば丸いフレームでも、大きさや微妙な形の違い、素材や色はさまざまです。その中に、必ず似合うメガネがあります。選びます!」と心強いコメントをもらった。

 

 

メーカーやデザイナー情報もディスプレイされている。フレームに込めた思いやこだわりを知ることができて、選ぶ一本により愛着がわく。

 

「頭痛や肩こりなどの体調不良については、目の筋肉による異常からくるものなら『両眼視機能検査測定』で軽減することができます」とも(両眼視機能検査測定は要予約)

一般的な検査は視力、つまり「はっきり見えるかどうか」を計測することに対し、「両眼視機能測定」は視力の他、「左右の目でとらえた映像のズレ」も計測。ズレが大きいほど、目に負担がかかり、不調の原因になるのだという。

このズレを計測してこそ、調整して体への負担が少なく、快適に見えるメガネになるのだ。

さらにはていねいなフィッティングを行うことで、限りなく目の筋肉や体に負担をかけないメガネになる。

自分に似合うおしゃれで快適なメガネを見つけることができる。それがヨーロッパの街角にありそうな、おとぎ話に出てきそうな「めがねのお店mito」の真の姿だった。

 

 

直接、顔に触れるものだからフィッティングはていねいに。「メガネをかけている」という煩わしさをできるだけ感じないようにしたいと話す細井店長。

 

 

 

こどもメガネも豊富にラインナップ

Mitoの品揃えの豊富さは、大人用のフレームだけにとどまらない。2階のmitoこども館には、子ども用のメガネフレームのラインナップはなんと300本超。

「子どものおしゃれなメガネがない」というお客様の声がきっかけだったそうだ。子どもだからといって、単なる矯正具にしたくないというこだわりがビシビシ感じられる。

16歳未満を対象にレンズ交換やフレーム修理の割引があるなど、視力の変化も大きい年頃ならではの配慮がうれしい。

週に2回視能訓練士も在籍しているので不安なことがあれば相談もできる。

子どもだからこそ、ただの矯正具ではなく、かけることが嬉しくなるようなメガネを選んで欲しいという思いがひしひしと伝わってくる。

 

まぶしさや見づらさを軽減する偏光レンズを中心にしたサングラスのラインナップも北陸随一。カフェの席とも近いため、スイーツに舌鼓を打ちながらのサングラス選びもできる。

 

 

 

できあがりを待つ間は絶品スイーツで心を満たす

お気に入りのメガネが決まったら、できあがりを待つ間にこども館と同じフロアにあるカフェへ。

「時間つぶしのためのカフェコーナーでしょ」なんて思ったなら、それは大きな間違い。ドリンクはもちろん、スイーツも充実した本格的なカフェだ。

一番人気は「Mitoの自家製プリン」(ドリンクセット950円~)。甘さを控えた固めのプリンにしっかりビターなカラメルと甘めのホイップクリームがベストマッチ。多くを作り置きしないでこまめに作り足しているそうだが、とはいえ早めの訪問がベターだ。フィナンシェや日替わりのパウンドケーキ(ドリンクセット各750円~)は早い者勝ち。こちらも確実なゲットを狙うなら、早めの時間に訪れたい。

テイクアウトもできるのがフォルムも愛らしいクッキー(150円~)。花や熊をかたどったクッキーはそれぞれ味も食感も違うので、あれもこれもと選びたくなってしまう。店内では、その日のおすすめクッキーのプレートをオーダーできるので、ドリンクと一緒にゆっくり味わうのもGood

 

大人気のプリンとメガネのシルエットが浮かぶラテ。口を付けるのをためらってしまうほどに愛らしい。

 

カフェの入り口はナチュラルテイスト。ほとんどがスタッフのDIYだというから驚き。

 

 

 

 

※価格はすべて税込

 

取材日時202135

 

取材・文 小杉智美

 

 

 

 

店舗情報

店舗名 めがねのお店mito
住所 金沢市香林坊2-12-10 せせらぎパサージュ1-C
電話番号 076-263-8823
営業時間 11:00~19:00
定休日 水曜