一棟貸しの庭付き金澤町屋で、金沢人の日常の暮らしを体験できる宿「かずえや」

金沢・主計町茶屋街の一角にある一棟貸しの宿「かずえや」。庭付きの金澤町屋で過ごす贅沢なひととき。レトロモダンなインテリアの広々とした空間の中、気の向くままにおもいおもいに過ごすことができる。キッチンもあり、徒歩10分で行ける近江町市場で新鮮な食材を手に入れて調理をしたり、買ってきたものを好きなように味わうことができ、まさに金沢人の日常の暮らしを体験できる宿だ。

風情ある金澤町屋で暮らすように泊まる。三味線や鼓の音が聞こえることも。

主計町茶屋街の川沿いの表通りから裏通りに入ったところにひっそりと佇む「かずえや」。当時の外観そのままの柿渋を混ぜ合わせた弁柄格子に、造形・染色作家の三代沢信寿氏作の麻暖簾が街の風景に溶け込んでいる。

「かずえや」は、一棟貸しの宿なので他のお客さんに会うこともなく、気の向くままに自分たちのスタイルで滞在することができる。

こちらを運営しているマーク株式会社の岩﨑裕樹さんに、「かずえや」の魅力について伺った。

「かずえやは、金沢の文化に触れながら、暮らすように泊まれるところが魅力です。かずえやの隣は『検番』といって、芸妓さんの稽古場として使用されているため、運が良ければ三味線や鼓の音が聞こえます。また金沢の台所、近江町市場が近いので、新鮮な食材を手に入れて、キッチンで好きに調理できます」。

元々は民家だったそうだが、巧みな改装でより快適な家屋に仕上がっている。

「1階の居間の押入れを壊し、客間をつなげる通路にしました。引き戸で仕切ることもできるので、冬は暖をとりやすく、夏は風が抜け開放的な空間となりました。また、土間を斫り、季節ごとに表情を見せる庭を作り、縁側とお風呂から望めるようにしました。壁はすべて漆喰。床は玄関の廊下からすべて畳を張り、使う素材はなるべく天然素材を使うようにしました」と岩﨑さん。

玄関横にある1階の客間は、リビングともつながっていて開放感がある。

 

レトロモダンなインテリアでまとめられた広々としたリビング。

「かずえやは和の空間ですが、ソファやベッドを配置し、現代の生活をイメージしてモダンなインテリアに仕上げています」と岩﨑さん。

 

リビング横の縁側から庭に出ることができる。縁側に腰をかけお茶を楽しんでみたい。

 

四季ごとにさまざまな表情を見せる趣のある和庭。

 

浴室からライトアップされた庭を眺めることができ、ゆっくりと旅の疲れを癒すことができる。

 

 

 

天然素材に包まれて眠る。こだわりの「石田屋」の寝具で上質な眠りを

2階には寝室と和室があり、寝室にはベッドが2台。

「かずえや」では、ゲストに至福の眠りを提供するため寝具にもこだわっている。

「寝具は、眠ることの大切さを正しく伝える『石田屋』さんの布団を使用しています。目覚めてわかる布団の大切さに気付ける宿でもあります」と岩﨑さん。

石田屋といえば、金沢の老舗寝具店で地元民にも愛用者が多い。

寝具はすべて上質な天然素材を使用しており、寝具自らの力で温度や湿度をコントロールすることで快適な眠りを朝まで維持できるという。

旅で疲れた体を天然素材が優しく包み込んでくれる。これは夜眠るのが楽しみになりそうだ。

和モダンで落ち着いた雰囲気の2階の寝室。(2名様/1泊 24,000円~)

 

2階の和室にも布団を3組敷くことができ、寝室のベッド2台と合わせて大人5人まで宿泊可能。

花札で遊んでみるのもまた一興。

 

 

 

近江町市場の新鮮な食材をキッチンで調理し「金沢の旬の味覚」を存分に味わう

金沢観光で外せないのが近江町市場。近江町市場には、鮮度のいい魚介類や地物野菜、お惣菜など石川の美味しいものがいっぱい。あれもこれも食べてみたくなる。

料理好きな人なら、この鮮度のいい食材を使って料理を作ってみたいと思う人も多いのではないだろうか。

「かずえや」にはキッチンがあるので、自由に食材を買ってきて調理することができる。

「キッチンは地元金沢のNEUTRALさんに作っていただきました。ゴミ箱も冷蔵庫も収納した、シンプル、機能的、見た目も美しいキッチンになっております。IHクッキングヒーター、電子レンジ、オーブントースター、鍋やフライパン、包丁、まな板、食器、調味料など全て揃っています」と岩﨑さん。

キッチンはリビングとつながっているので、出来立ての料理をすぐに食べることができる。

 

調理器具も充実しており、ワインクーラーやアイスペール、グラス、徳利、おちょこもある。

 

冬なら茹でたての香箱ガニを買ってきて、石川の地酒やクラフトビールの飲み比べセットと一緒に味わうのもいい。脂ののった寒ブリの刺身を柵で買ってきて、好きな厚さに切ってたらふく食べるもよし、薄くスライスしてブリしゃぶを存分に楽しむもよし。タラの切り身と白子、地物野菜を買ってきてタラ鍋を作るのもいい。

地元民のように石川の味覚を存分に味わえるのは、キッチンのある「かずえや」ならではの楽しみ方だ。

 

 

 

金沢人の日常の暮らしを体験できる貴重な宿で、金沢の風情を心ゆくまで楽しんでほしい

迷路のような細い路地と弁柄格子が続く情緒あふれる、主計町茶屋街。

「かずえや」の周辺には、旦那衆が人目を避けて茶屋街に通ったとされる「暗がり坂」や長年主計町で活動していた版画家のクリフトン・カーフのギャラリー「KARHU COLLECTION」などがある。ひがし茶屋街、兼六園、金沢城など徒歩で行ける観光スポットも多く、金沢の文化や歴史も存分に味わえる。

「かずえや」の壁にもクリフトン・カーフの版画や墨絵が飾られている。

 

最後に岩﨑さんからお客様にメッセージをいただいた。

「金沢はひがし茶屋街、にし茶屋街、そして主計町茶屋街の三茶屋街があります。その中でも金沢らしさが色濃く残る主計町。そこに暮らすということを体験できる貴重な宿です。金沢の風情を心ゆくまで楽しんで下さい」。

「かずえや」はGOTOトラベルキャンペーンの対象施設になっているので、この機会にぜひ利用してみてほしい。

「かずえや」で暮らすように泊まる。金沢により親しみと魅力を感じること請け合いだ。

 

 

 

 

※価格はすべて税込

 

取材日時 20201116

 

取材・文 岡崎真由美

店舗情報

店舗名 かずえや
住所 金沢市主計町3-14
電話番号 076-264-3201(ホテルパシフィック金沢)
営業時間 チェックイン15:00~18:00 チェックアウト~11:00
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