新旧加賀料理と地酒が楽しめる、せせらぎ通りの居酒屋「金澤もんよう」

金沢市香林坊・せせらぎ通りにある新旧加賀料理と店主厳選の地酒が楽しめる「金澤もんよう」。「鴨の治部煮」など郷土料理をはじめ、石川県産の新鮮な魚介と加賀野菜がメインの創作料理、ドリンクが豊富に揃う人気店。土日祝日はランチもあり、昼飲み大歓迎!陶芸家の顔を持つ店主が作る器やオブジェにも注目したい。

カウンター席は6席。おひとり様も気軽に入りやすい雰囲気。

 

店内には、オブジェ作りが趣味の店主の作品が楽しげに飾られている。手前の赤い鳥とアンモナイトは市販のオブジェに店主が着色したものだそう。

 

 

 

豊富なフードメニュー!お酒がすすむ旬の新鮮な魚介と加賀野菜を使った創作料理

金澤もんようは、新旧加賀料理と店主厳選の地酒が楽しめる居酒屋。伝統的な郷土料理を旧加賀料理、石川県産の食材をメインにした創作料理を新加賀料理としているそう。旧加賀料理で代表的なメニューは「鴨の治部煮」。観光客にも人気のメニューだ。

「鴨の治部煮(850円)」。同店の治部煮は片栗粉ではなく小麦粉でとろみをつけているのがこだわり。

 

新加賀料理は、最近でいうと「白子まつり」「能登牡蠣まつり」「加賀蓮根まつり」のメニューなどがある。「まつり」というのは、季節ごとの旬の食材を多彩な料理でアレンジするというもので、一年を通してなんらかのまつりが開催されている。ちなみに「白子まつり」は、天ぷらやグラタン、麻婆白子など白子のメニューがなんと12種類!他に能登牡蠣と加賀蓮根のまつりもあるのだから、同店のメニューがいかに豊富であるかが分かる。

どのようなメニューがあるのか、早速見てみよう。

石川の冬といえば白子!もっちりクリーミーな白子の表面を香ばしく炙った「焼き白子(時価・1,000円程度)」。

 

「白子グラタン(時価・950円程度)」。グラタンは金澤もんようの定番人気メニュー!1年を通してきのこグラタンなどのメニューがある。

 

ぷっくりと大きな能登牡蠣をポン酢でいただく「能登牡蠣の茹でポン酢(900円)」

 

「野菜の激辛ペペロンチーノ炒め」「いろんな野菜の茹でポン酢(温)」など加賀野菜を使ったメニューも多い。

サックリもっちりの歯ごたえがたまらない人気メニュー「加賀蓮根の焼き天(700円)」。衣をつけてフライパンで焼き、醤油で香ばしく仕上げた「揚げない天ぷら」で、金澤もんようオリジナルメニュー。

 

 

近江町市場で仕入れた旬の新鮮な魚介も見逃せない。こちらのおすすめはなんといっても刺身!鮮度抜群の旬な刺身がお手頃価格で食べられる。店主の山本憲一さん曰く「どんどん売って新鮮な魚を仕入れたいから、赤字覚悟の低価格をつけています!」とのこと。

刺身はだいたい3種盛りで850円程度。いろいろなメニューを頼みたい方にはちょうどいい量だ。彩りも美しい。

 

濃厚でクリーミーな味わいの珍味「エイのキモ(650円)」。エイの器は陶芸家でもある山本さんの作品。エイのユーモラスな表情がかわいい。

 

魚介だけでなく和牛のすね肉を和風に煮込んだ「和牛やわらか煮込み」、「チャーシュー」など肉料理もあり、改めてメニューの多さに驚く。

聞けば山本さんがほぼおひとりで料理を作っているという。「メニューを多くしているのは、誰が来ても何か好きなものが見つかるようにと思って」とのこと。たしかにこれだけあったら、絶対好きなものが見つかる。「下ごしらえもしてあるし、手際はいいから」と笑いながら話す山本さん。とてもバイタリティのあるお方だ。

 

 

 

試飲会で厳選された日本酒など豊富なドリンクメニュー!土日祝日はランチで昼飲みも!

金澤もんようは、ドリンクメニューも豊富。日本酒は石川の地酒を中心に約20種類、地ビール、いろいろな国のウイスキーが楽しめる世界のハイボール、サワー、ワインまであり、ノンアルコール(ソフトドリンクも含む)ドリンクだけでも50種類もあるそう!

金澤もんようは居酒屋なので、お食事だけではなく必ず1杯ドリンクをオーダーしていただくシステムだが、お酒が飲めない方でもこれだけメニューがあれば必ず飲みたいドリンクが見つかるだろう。お酒が好きな方は言うまでもない。

中でも日本酒選びにはこだわりがある。毎年山本さんはスタッフと「試飲会」を行い、味をチェックし、「チャート(図表)」まで作成している。

「チャート」を見ればそれぞれのお酒の特長(甘め、辛め、味が濃いなど)が一目でわかるようになっており、お店にも貼られている。

日本酒の試飲会。この銘柄の方がおいしいなど意見を言い合いながら楽しくチェック。この結果で銘柄の入れ替えなども行われるという。

 

土日祝日はランチもしており、「昼飲み大歓迎!」と山本さん。食事がしたい方は、ごはんセットにプラスして、夜の居酒屋メニューから好きなものを選んでもらうシステム。お昼もワンドリンクオーダー制(ごはんセットを注文された方はドリンクなしでも可)だが、ノンアルコールももちろんOKだ。

 

 

 

料理人とアーティスト、全国区のテレビ出演も!多才な店主・山本憲一さん

アートの才能に溢れ、陶芸家としての顔を持つ店主の山本さん。

まずは、山本さんの陶芸作品と今年の春からハマっているという粘土細工を見ていただきたい。

5年前から始めた陶芸の作品。カラフルでユーモラス、山本さん自身が本当に楽しんで作っているのが伝わってくる。器はお店でも使われている。

 

陶芸は、お店に陶芸の先生が来てくださり「飲み陶芸」というお酒を飲みながら陶芸を楽しむというイベントを月2回ほど行っていたそうだ。現在は、先生がお忙しくなったりして開催できていないが、お客さんと一緒に作品づくりを楽しんでいたという。

粘土細工は、針金をよじって作る脚(ステー)に粘土をくっつけて、色を塗ったもの。リアルなのにかわいさもあり、アートのセンスを感じずにはいられない。

 

もうおわかりだろう。山本さんは趣味でとおっしゃっているが、確実に趣味の領域を超えている。

実際、陶芸作品や粘土細工も販売しており、売れている。陶芸作品でカラフルな「ちんあなご」を1体500円で販売したところ、なんと600体も売れたという。

 

さらに驚くのが、山本さんのご経歴。山本さんはこちらのお店を8年前に開店。その前は、お父様が始めた「割烹勝一」で20年以上修行されていたそうだ。

その修業時代にひょんなことからテレビ出演することに。今から10年ぐらい前だが、当時山本さんはブログで約100種類の独創的な炊き込みご飯(コロッケの炊き込みご飯など)を紹介したことで話題になり、「炊き込み先生」として、朝の情報番組「ZIP」など全国区のテレビ番組に5、6本出演したことがあったそうだ。「緊張はそんなにしませんでした。楽しかったです!」と笑う山本さん。

近年も地元のテレビ番組に呼ばれ、お料理の先生として出演されていたという。お店の仕事だけでもお忙しいと思うのに、こんな風にブログやテレビ出演、陶芸や粘土細工も楽しんで精力的に活動されている。とても多才で華がある方だと感じた。

モノづくりが大好きで、料理の研究も熱心な店主の山本憲一さん。

 

インスタグラムも頻繁に更新されており、そちらには新メニューやまかない料理、陶芸や粘土細工の投稿もたくさんあるので、ぜひ見ていただきたい。

金澤もんようInstagram

 

今回、ご紹介しきれなかったメニューがまだまだあるので、お酒が大好きな方、美味しい魚介と加賀野菜を使った創作料理を楽しみたい方は、ぜひ訪れてみてほしい。

店主が作るアート作品に心和ませながら、楽しいひと時が過ごせるだろう。

 

 

 

 

※価格はすべて税込

 

取材日時 20211221

 

取材・文 岡崎真由美

 

 

店舗情報

店舗名 金澤もんよう
住所 金沢市香林坊2丁目12―34 ニュー香林坊ビル103号室
電話番号 076-263-7666
営業時間 月火水金17:00~23:00、土日祝日11:30~23:00(中休みあり)
定休日 木曜