手羽先サミットで殿堂入りを果たした元祖金澤手羽先の「鳥珍や」

タテマチ通りと片町きららを結ぶ片町一丁目交差点。そこから徒歩1分の「鳥珍や 片町本店」。名物の金澤手羽先をはじめおいしい料理と賑やかで元気いっぱいの雰囲気で、大勢の人の胃袋とハートをがっちりとつかむ人気店だ。

焼き鳥屋が普通に焼き鳥だけ売っててもつまらない

おいしいものがひしめく金沢で「手羽先」と聞いて真っ先に名前があがる人気店「鳥珍や」。特に片町本店は、片町一丁目交差点からすぐという抜群の立地で仕事帰りのサラリーマンや学生でいつも賑わっている。金沢市内を中心に6店舗を展開しており、店舗ごとに客層が違っても、訪れたほとんどの人がオーダーするのはやはり「金澤手羽先」。

醤油ベースの甘辛タレに秘伝のスパイスが効いた、ちょっと濃い目の味付け。酒の肴にぴったりで、何本でも食べられると評判だ。

2019年の手羽先サミットでグランプリに輝いた金澤手羽先(3418)。金沢ブランドにも認定されている。

 

もともと焼き鳥がメインの店だった「鳥珍や」が手羽先をメニューに加えたのは今から15年ほど前。今でこそ全国的に人気の手羽先だが、当時はさほど知名度は高くなく、名古屋のご当地料理のイメージが強かった。金沢でも手羽先をメインにした店はなかったという。

そんな中、なぜ手羽先を店のメインにしたのかとオーナーの和田知晃さんにたずねると、

「ある時ふと、焼き鳥屋が普通に焼き鳥だけ売っててもつまらないと思ったんです」。

 

 

もちろん串焼きも大人気。炭火で焼いて素材本来の旨味が味わえる上、香ばしさも抜群。

 

鳥珍やのもうひとつの名物「さつま知覧どりもも焼 (950/150g)」歯ごたえがたまらない逸品!

 

新メニュー開発のため、和田さんが最初に手掛けたのはタレづくり。

大野醤油に惚れ込んで「この味を使ったメニューなら、みんなに好まれるものになる」と直感したのだという。

日本の醤油発祥の地である和歌山県出身の和田さんと金沢名物のひとつである大野醤油。味のタイプは違えど、ふたつの醤油が繋いだ縁といえるのかもしれない。

このタレに合うものはなにかと考えてたどり着いたのが手羽先だったそうだ。このとき手羽先を店の看板商品にするため、焼き鳥をメニューから外したというからびっくり!

一年ほどで焼き鳥もメニューに復活したが、和田さんの自信と決意がうかがえるエピソードだ。

 

 

 

2019年手羽先サミットで日本一に!

2014年から愛知県名古屋市で「手羽先サミット」という催しが開催されている。毎回10万人以上が訪れるこのイベントは、一般参加者が「一番おいしい」と思った手羽先に投票して日本一を競うものだ。これまでに北は北海道、南は九州までのべ100店舗近くが参加している。

鳥珍やは「手羽先の発祥は名古屋かもしれないけれど、元祖金澤手羽先は本場の味に劣らない。鳥珍やの手羽先で日本一をとる!」その熱い思いで参戦し金賞2回、2019年には念願のグランプリを受賞して見事殿堂入りを果たした。公式サイトでは「10人が食べて10人がおいしいと思える手羽先」と絶賛されている。

グランプリを受賞した2019年の手羽先サミットの様子

 

鳥珍やといえば、人目を引く看板や明るい店内、スタッフの元気な掛け声も評判だが、これについても「わざわざ時間とお金を使って来てくれる人に、おいしい料理以上のものを提供したい」からだという。

例えば、ちょっと気分が滅入っている時、友人を激励するために、相手と距離を近づけたい時、何気なくふらりと立ち寄った時でさえ、帰りには「おいしかった」だけでなく、心からの笑顔になってもらいたいと話してくれた。

お祭りのような賑やかな外観は、見ているだけでも元気になりそう。

 

片町本店の隠れた名物でもある木橋範久店長代理。気軽に「ノリン」と呼びかけて。

 

 

元気が出る店鳥珍やは、宴会メニューも豊富。

金澤手羽先、薩摩もも焼に鶏ユッケやチキン南蛮など9品に飲み放題(90)がセットになった「名物三昧コース」(4,000)に、締めに鶏釜飯が出るノンアルコール派もうれしいボリューミーなコース(5,000/飲み放題120)など、人数やメンバー、予算に合わせて相談できる。

イチオシメニューがぎっしり詰まったコースのオーダーは鳥珍や初心者にもオススメ

 

手羽先をはじめとした人気メニューのテイクアウトにも対応してくれる。

テイクアウトでも注文が多いのは金澤手羽先(5本~)と薩摩もも焼き(150g/850)。ほかに手羽先と焼き鳥、日替わりの一品が入った「おつまみセット」(800)も人気。丼物も豊富だから、家飲みも晩ごはんも鳥珍やでお腹いっぱい!

 

最後にもう一品ご紹介。

「石川県まるかじり」がテーマの「金澤メンチ」(660)だ。

能登豚に加賀レンコン、小松トマトと大野醤油という石川県産食材をふんだんに使った、和田さんいわく「究極メンチカツ」の自信作。

店内で揚げたてを食べるのはもちろん、冷めてもおいしいからお土産にもぴったりだ。

女性でもぱくりとひとかじりできるよう、スティック状なのもうれしい。

 

 

 

 

※価格はすべて税込

 

取材日時2022913

 

取材・文 小杉智美

 

 

 

 

 

 

 

店舗情報

店舗名 やきとり 鳥珍や片町本店
住所 金沢市片町2-1-14
電話番号 076-231-5959
営業時間 17:30~25:00
定休日 日曜日