名店出身のシェフが作る本格パスタと旬の新鮮な魚介が味わえるイタリアン 「SPAGHETTERIA YOSHIMURA(スパゲッテリア ヨシムラ)」
昨年12月、金沢市武蔵町のめいてつ・エムザ地下1階にオープンしたイタリアン 「SPAGHETTERIA YOSHIMURA(スパゲッテリア ヨシムラ)」。東京西麻布のイタリアンの名店「アルポルト」で修行した吉村シェフが作る、近江町市場の新鮮な旬の食材を使ったパスタや魚介料理が美味しいとオープン直後から早くも人気店となっている。料理が美味しいだけでなく、丁寧で温かみのある接客で心地よく食事ができるのも魅力だ。
シックでおしゃれな外観だが、百貨店の中にあるので入りやすい。オープン以来、連日ランチタイムは開店前からお客が並ぶほど大人気だ。
白を基調とした明るい店内。肩肘張らずに食事を楽しめる雰囲気だ。
席はすべてテーブル席で16席。テーブルを繋げると10名前後のグループでも利用することができる。
シェフ自らが目利きした近江町市場の旬の新鮮な魚介を用いたイタリアン
東京西麻布のイタリアン「アルポルト」といえば、イタリアンの巨匠・片岡護氏がオーナーシェフを務める名店。その名店で修行をし、磨き上げた技術とセンスを持ったシェフが作る本格イタリアン「SPAGHETTERIA YOSHIMURA(スパゲッテリア ヨシムラ)」。
シェフの吉村渉(わたる)さんにお店の特長について伺った。
「お肉もありますが、ベースは新鮮な魚介を使ったイタリアンです。すぐ隣りに近江町市場があるので、毎日自分で直接仕入れに行っています。旬の食材にこだわっていて、その日の市場にあるものでメニューを考えるので、メニューは毎日ちょっとずつ変わっています」。
通年用意されたメニューとは別に、黒板メニュー「本日のスペシャル」がある。
ディナーの黒板メニュー。オニカサゴ、黒ムツ、能登カキ、甘鯛などシェフ自らが目利きした最高級の魚介がずらりと並ぶ。
丁寧に調理された旬の食材を使ったパスタはどれも絶品!
お店の名前が「スパゲッテリア(スパゲッティ専門店)」というだけあって、旬の食材を使ったパスタはどれも絶品だ。
「ラグーディマーレ(海の幸の煮込みスパゲッティ)」は、エビ、イカ、アサリ、ホタテをミンチにしたものをじっくり炒め、アサリの出汁で煮込んだ濃厚な魚介ソースが絶品のスパゲッティ。魚介のミンチのホロホロッとした食感とソースをたっぷり吸ったズッキーニがまた美味しいと大好評だ。
ふわっと香る魚介の香りが食欲をそそる「ラグーディマーレ(1,760円)」。
「化学調味料は一切使わず、アサリの出汁で水分がなくなるまで旨味を引き出して煮込んでいます。塩も旨味を引き出す程度にしか使っていなくて、魚介の持っている塩分で仕上げたパスタです」と吉村さん。
「黒トリュフのカルボナーラ」は、吉村さん曰く「今が旬の香りのいいフランス産の黒トリュフを使って仕上げた、濃厚な食べ応えのあるガツンとしたカルボナーラです!」。
黒トリュフを贅沢にあしらった「黒トリュフのカルボナーラ(1,980円)」。
パスタは、コシが強くて弾力のある細めのものを使用している。
「ランチはスパゲッティーニ(1.6ミリ)とフェデリーニ(1.4ミリ)の2種類にこだわって使用しています。夜はショートパスタを使うこともありますが、ランチは喉ごしがいい細めのロングパスタの方が日本人の味覚に合っていると思っています」と吉村さん。
名店で培った確かな腕で作られる本格パスタをぜひ味わってみてほしい。
近江町市場の鮮度抜群の旬の魚介は素材の良さを生かしてシンプルに調理
ディナーのアラカルトやコースでは、近江町市場の鮮度抜群の旬の魚介を使った一皿も楽しめる。
「魚介もお肉も素材の旨味を引き出す調理工程にこだわっています。食材がいいので、シンプルに調理して美味しいものを提供しています」と吉村さん。
身の甘味と旨味が強い、能登産のアオリイカを使った「アオリイカの炙りと菜の花、チコリ、トマトのサラダ仕立て すだちの香り」は、少し炙ったアオリイカにすだちの果汁と皮を散らしてさっぱりとさせた一品。
「アオリイカの炙りと菜の花、チコリ、トマトのサラダ仕立て すだちの香り(1,430円)」。錫100%の「能作」の器に盛られた彩りも鮮やかな一皿。
「ヒラスズキや黒ムツは脂がのっていて、グリルにすると美味しい魚。北海道苫小牧の名産のホッキ貝もサッとグリルするとすごく甘くなります。ハーブと黒オリーブはグリルの香りとも合います」と吉村さん。
「ヒラスズキとホッキ貝、野菜のグリル盛り合わせ ハーブと黒オリーブの2色ソース(2,750円)」
大人気のランチ「スパゲッティセット」アラカルトも充実したディナーは予約も可能
ランチは、パスタにサラダとパンが付いた「スパゲッティセット(1,320円~)」のみ。パスタは5~6種類から選ぶことができ、そのうち2~3種類は本日のスペシャルだ。
甘みのある自家製オニオンドレッシングが美味しいボリューミーなサラダと、金沢の人気ベーカリー「ひらみぱん」のバゲットが付いている。
ランチのパスタの黒板メニュー。旬が詰まったパスタはご褒美ランチにぴったり。
ランチは開店前からお客が並ぶほど大人気なのだが、予約制をとっていないという。
理由は、「百貨店の中にあるお店なので、いろんな方に気軽に入っていただきたくて、ランチはご予約は承っていないです」と吉村さん。ディナーは予約ができるので、お昼に来店が難しい方はディナーがおすすめ。パスタはもちろん、アラカルトも非常に充実している。
シェフの料理を余すことなく堪能するなら全7品の「ディナーコース(6,050円)」がおすすめだ。
修行時代にサービスの大切さを実感 ソムリエの資格も取得
アルポルトで10年間修業したという吉村さんは現在34歳。修行先を考えた時に「クラシカルで間違いない工程をちゃんとやっているお店で、有名店というのが条件でした。そこで専門学校の先生に紹介されたのがアルポルトです」と吉村さん。
アルポルトでは入社時に「10年で地元に帰って独立する」と決めて、自分のイメージするレベルになれるようにアプローチしていったという。
大学は獣医学部だったという意外な経歴をお持ちのシェフの吉村渉さん。ご商売をされているご両親の影響で「飲食店の経営がしたい」と思ったのが調理師になったきっかけだったそう。
「アルポルトで働いてよかったと思うのが、全員がサービスからのスタートなんです。お客様の気持ちがわからない人は料理を作れないというオーナーの考えで。そこでサービスの大切さに気付きました。ワインも重要な要素があるので、ソムリエの資格も取りました」と吉村さん。
吉村さんのお店ではイタリア産を中心に25種類程のワインを常備。ご相談いただければ、シェフ自ら料理を一層引き立ててくれるワインをセレクトしてくれるそうだ。
現在、お店のスタッフの方にも丁寧で気の利いた接客をお願いしているという。
ランチのパスタの食材やテイストを1組1組に説明したり、取り皿を言われなくてもお持ちしてお声掛けするといったさりげないが、ゲストが心地よく食事ができるサービスだ。
「旬のものを使って、来店されるたびに新しいメニューで驚かせたい」という吉村さん。
本格イタリアンが気軽に味わえる「SPAGHETTERIA YOSHIMURA」へぜひ足を運んでみてほしい。
※価格はすべて税込
取材日時 2021年1月19日
取材・文 岡崎真由美
店舗情報
店舗名 | SPAGHETTERIA YOSHIMURA(スパゲッテリア ヨシムラ) |
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住所 | 金沢市武蔵町15-1 めいてつ・エムザB1 |
電話番号 | 076-260-0002 |
営業時間 | ランチ 11:00~15:00(L.O.14:30) ディナー 17:00~21:00(L.O.20:30) |
定休日 | 火曜・他不定休あり(めいてつ・エムザの休業日に準ずる) |