浅野川「七つ橋渡り」のコースを歩きながら、金沢グルメを楽しもう!
金沢には「七つ橋渡り」という願掛けの風習があります。浅野川にかかる七つの橋を上流から下流に向かって一筆書きのように歩いていくのですが、観光コースにもピッタリなんです♪中には人気映画や松潤のドラマのロケ地になった橋も!橋の周辺には何があるのか?どんな金沢グルメがあるのか?ワクワクしながら進みましょう♪
朝からスタートmorning start!
-
1
【11:00】金沢ふらっとバス 材木ルート・バス停「常盤橋」
七つ橋渡りスタート地点・常盤橋へ行くなら金沢ふらっとバスが便利です。バス停から常盤橋までは徒歩で3分ほどです。材木ルートは「金沢駅」は含まれていませんが、主要バス停として「武蔵ヶ辻・近江町市場」があるのでそちらから乗るのがおすすめです。
-
2
【11:05】七つ橋渡りのスタート地点「常盤橋」
常盤橋は七つの橋で一番上流にあり、卯辰山を背景にした緑が美しいスポットです。本来の七つ橋渡りは彼岸の中日の深夜0時に、上流から常盤橋、天神橋、梅ノ橋、浅野川大橋、中の橋、小橋、昌永橋を無言で一筆書きのように歩くもので、長患いで他人の世話にならずにあの世に逝くことを願うという風習です。でも、今日は昼間ということで、途中寄り道しながら金沢グルメも味わって楽しんでいきましょう!
-
では七つ橋渡りコース、スタート~! 常盤橋は、昭和33年(1958年)に卯辰山と金沢の中心部を結ぶために架けられました。 橋はゆるやかなアーチを描いていて、欄干の色やデザインを見ていると、昔話に出てきそうな橋ですよね~。
-
川と緑の美しさに癒されます。 この辺りは人も少なく、まだ観光地らしい雰囲気はありません。 近所の方がウォーキングやお散歩をしている姿もちらほら。 近くには市街地を眺めることができる常盤町緑地があります。
-
橋を渡ると、たもとに2010年に閉店になりましたが、ごり料理の「ごり屋」の建物があります。 「ごり」とは浅野川や犀川で獲れる小魚のカジカのことで、金沢の郷土料理に用いられています。 今では希少な魚となり高級食材として、市内の料亭などで食べることができます。 「ごりの佃煮」は金沢のお土産でも人気です。
-
-
3
【11:15】金沢市内を一望できる絶好の展望台・卯辰山への玄関口「天神橋」
天神橋は、慶応3年(1867年)に最後の加賀藩主・前田慶寧が卯辰山開拓の際に架けた橋で、現在の橋は昭和30年(1955年)に架設されました。橋の名前は、卯辰山の頂上に天神さんを祀った社(卯辰神社)があったことに由来しています。卯辰山公園線上にある天神橋は、眺望スポットとして有名な卯辰山への坂の入り口にあります。
-
天神橋のたもとに来ました。 こちらの橋は橋脚がありません。 アーチ橋(ローゼ橋)といって、アーチの部分で道路を吊る構造なのだそうです。 以前あった橋が、水害で流されたことからこの構造が採用されました。 水害で流された旧橋の橋脚跡(棒のようなもの)が川の中に見えます。
-
橋の周辺には、卯辰山公園の案内図と卯辰山へ続く坂があります。 卯辰山公園には、あじさいや菖蒲(しょうぶ)がきれいな「菖蒲園」や「見晴らし台」がありますが、今年の3月に新たな眺望スポット「眺望の丘」がオープンしました! 金沢市街から日本海まで一望できるそうです。 時間があったら、こちらに寄るのもおすすめです♪
-
橋の上から次に歩く川沿いの通りが見えます。 ここは、金沢の作家・泉鏡花(いずみきょうか)にちなんで「鏡花のみち」と名付けられていて、この天神橋から中の橋まで続きます。 松の並木道になっており、通り沿いの町は「並木町」と名付けられています。
-
鏡花のみちを歩いていると、「滝の白糸像」があります。 泉鏡花の出世作「義血侠血」の主人公の記念碑です。 この像には横の白いボックスに手をかざすと、まさに滝の白糸のように上から水が落ちてくるという仕掛けがあります。
-
-
4
【11:20】人気映画やドラマのロケ地にもなった風情のある「梅ノ橋」
犀川の桜橋に対して名付けられたといわれている「梅ノ橋」。橋の欄干と桁隠しが木で作られており、とても風情のある橋です。泉鏡花の作品「義血侠血」の舞台であり、映画「舞妓Haaaan!!!」や嵐・松本潤さん主演のドラマ「99.9」のロケ地にもなっています。歩行者と自転車専用の橋なので車が通らず、花嫁さんが写真撮影していることも。夜のライトアップされた姿も美しく情緒があります。
-
橋の上がり口にミラーがあるのですが、枠が木製になっていました! 江戸時代にミラーがあったらこんな感じなのかなとちょっと面白かったです。
-
橋の欄干は木製ですが、下はコンクリートの鋼橋です。 こうやって見ると、雰囲気あります~! 映画やドラマのロケ地になるのも納得です。 あの松潤もここを歩いていたんですね♡ 橋の向こうに見えるのは、ひがし茶屋街です。
-
ここ梅ノ橋から浅野川大橋にかけて、かつては加賀友禅の「友禅流し(のりや染料を洗い流す作業)」が冬の風物詩になっていましたが、最近では専用の工業河川で行う業者が多くあまり見かけなくなりました。 現在は、毎年5月初旬の「こどもの日」の前に、子供の成長を願って「鯉流し(こいのぼり)」が行われています。(写真提供:金沢市)
-
橋を渡ると「徳田秋聲記念館」があります。 徳田秋聲(とくだしゅうせい)は泉鏡花、室生犀星(むろうさいせい)とともに金沢の三文豪と呼ばれる小説家です。 徳田秋聲は子供の頃、ひがし茶屋街でよく遊んでいたそうです。
-
-
5
【11:30】ひがし茶屋街と主計町茶屋街を結ぶ観光のメインストリート「浅野川大橋」
金沢観光のシンボル「浅野川大橋」は、登録有形文化財にもなった3蓮アーチ橋。1594年(文禄3年)、加賀藩祖・前田利家によって架けられ、参勤交代の時は必ずこの橋を通ったそうです。現在の橋は1922年(昭和3年)に建造、1988年(昭和63年)大正ロマン風のデザインに改修されました。多くの観光客で賑わい、人力車も通る観光のメインストリートです。
-
浅野川大橋を渡る前にちょっとひがし茶屋街に寄り道してみましょう♪ 橋のたもとに交番があり、そのすぐ隣に今年4月にオープンした「多華味屋(たかみや)」という「ひゃくまん焼き」のお店があります。 石川県PRマスコット「ひゃくまんさん」を型どったたい焼きのようなスイーツです。 アンコたっぷりのあたたかいフカフカのひゃくまん焼きもとってもおいしいのですが、今日は冷たいスイーツを♪
-
その名も「ひゃくまんアイス」! あたたかいひゃくまん焼きに、今金沢で人気の能登ミルクのジェラートをサンド。 ふわふわのひゃくまん焼きとも相性バッチリで、ジェラートも濃厚なミルク味なのにサッパリしてて、おやつにおすすめですよ~♪ 「多華味屋」 金沢市東山1-1-5 営業時間11:00~17:00 定休日:火曜日
-
では、浅野川大橋を渡りましょう! 橋の灯りに注目!電灯ではなく「ガス灯」です。 ガス灯ならではのやわらかいオレンジ色の灯りが夜の橋をより幻想的に見せてくれます。 梅ノ橋、中の橋でもライトアップがあり、夜にこの辺りに来てみるのもおすすめです! ガス灯はひがし茶屋街、主計町茶屋街、にし茶屋街、尾張町にも設置されています。
-
橋を渡り終えると、ここからは主計町(かずえまち)茶屋街になります。 川沿いに建ち並ぶ町家と並木が美しく、ひがし茶屋街より人も少なめで落ち着いた雰囲気です。
-
では、この並びにある日本料理店「いち凛(りん)」でランチを♪ 旬の食材をふんだんに使った「花かごランチ」は地元人にも観光客にも人気です。 あらかじめ予約をしていきましょう。 2階席からは浅野川を眺めることができます。
-
純和風なお店の外観とは対照的なアーティスティックな1階の内装。 実はこのお店は、日本に移住し日本の風景や建物を描き続けた、版画家クリフトンカーフの住居兼アトリエを改装したもの。 金沢を気に入り、人生の最後の12年間を主計町で過ごしたそうです。 階段やふすまでクリフトンカーフの作品を楽しむことができます。
-
彩り豊かで華やかな「花かごランチ(税込1,830円)」♪ ブリとイカのお刺身、稚アユと野菜の天ぷら、エビと野菜の煮物、もずく酢、鰆の南蛮漬け、そら豆の茶わん蒸し、サラダなどいろいろな味が楽しめます。 加賀野菜の加賀レンコンや五郎島金時(さつまいも)が入った煮物は、上品で丁寧な味付けが印象的でとてもおいしかったです。 ご飯とお吸い物も付いていて、心もお腹も大満足でした!
-
おいしいランチの後は、ちょっと散策。 いち凛の裏手に「暗がり坂」と呼ばれる写真スポットがあります。 主計町には昼間でもうす暗い裏通りがあり、「暗がり坂」は旦那衆が人目を忍んで茶屋街に通うための通路であったり、秘密の情報交換が行われた場だといわれています。
-
暗がり坂のすぐ近くに「あかり坂」といわれる場所があります。 暗がり坂に対して、金沢市民からの要望で作家の五木寛之が自身の作品の中で「あかり坂」と命名したそうです。 主計町はこんな風に細い路地を散策してみるのも面白いです。
-
-
6
【12:50】泉鏡花の作品の舞台にもなった「中の橋」
こちらも梅ノ橋同様、欄干と桁隠しの部分が木で作られた歩行者と自転車専用橋。橋を渡るごとに一文支払ったことから一文橋とも呼ばれました。泉鏡花の小説「化鳥」の中にもこの「中の橋」の橋銭で生計をたてる母子が描かれています。
-
中の橋のたもとに「主計町緑水苑」があります。 ここは江戸初期に金沢城を防御するため作られた内堀、西内惣構堀(そうがまえぼり)を生かした池泉回遊式庭園です。 お堀の部分がどこなのか探すのも面白いですね。 屋根付きの休憩所もあり、歩き回って休むのにもピッタリです。
-
中の橋から浅野川大橋方向を見た景色です。 この辺りは川が深いのか、浅野川がきれいな濃いエメラルドグリーンに見えます。 この優美さが浅野川が女川(対する犀川は男川)と言われる所以でしょうか。 人も少なく、少し離れたひがし茶屋街の賑やかさとは対照的に静かでゆったりとした気持ちになれます。
-
-
7
【13:00】あめの俵屋本店が近い「小橋」
全長35メートルと名前の通り、とても小さな「小橋」。しかしながら、橋のたもとの石碑に「藩政時代、小橋は犀川大橋、浅野川大橋とともに金沢の三ツ橋と呼ばれ、金沢城防衛所の重要な拠点だった。」と書かれており、古くから金沢にはかかせない橋だったようです。
-
橋の近くにじろあめで有名な「俵屋(たわらや)」の本店があります。 創業天保元年、190年の伝統を守っている金沢で一番古いあめ屋さんです。 江戸末期に建築されたといわれる建物は金沢市指定保存建造物になっていて、建物を見るだけでも価値があります。
-
じろあめと言えば、この瓶入りですよね! 母乳が出なくて悩んでいる母たちに何か栄養のあるものを、と考案されたのがはじまり。 原材料は米と大麦と水のみ。砂糖不使用! 麦芽の酵素が米のでんぷん質を糖化することであめができるなんて昔の人はすごいな~。 棒につけて試食もさせてもらいましたが、自然な優しい甘みでおいしかったです♪ 「じろあめ 180g」 税込864円
-
瓶に入ったものだけでなく、キャンディのように小粒になった「俵っ子(税込540円)」や空気をふくませて混ぜて固めたキャラメルタイプの「飴ん子(税込540円)」など手軽に食べられる商品もあり、お土産にもおすすめです! 「俵屋」 金沢市小橋町2-4 営業時間:9:00~18:00 定休日:なし
-
小橋を渡るとたもとに「小橋カフェ OTABA(オタバ)」があります。 ちょっとここでスイーツ休憩♪ 地元でも人気のカフェで、新鮮な野菜たっぷりのランチやうどんパスタ(老舗うどん屋・お多福が運営している)、自家製ケーキがおいしいと評判です。
-
2階席からは浅野川を眺めることができます。 店内は窓が多く、開放的で明るい雰囲気です。 営業時間:9:00~21:30(ラストオーダー) 定休日:水曜日
-
季節ごとに変わる自家製ケーキ。 今日はライムのケーキとアイス抹茶ラテ(セットで税込1,080円)をオーダー。 抹茶は金沢でも屈指の日本茶専門店「上林金沢茶舗」のものを使用しているそうです。 爽やかなライムケーキと上品な甘さの抹茶ラテがおいしい~♪
-
-
8
【14:00】七つ橋渡りゴール!「昌永橋」
七つの橋で最も下流にある「昌永橋(しょうえいばし)」。ついに七つ橋渡りゴールです!1つ前の小橋にとてもよく似た橋ですが、部材を三角形になるように接合したトラス橋で、この構造は東京タワーにも用いられています。
-
実は小橋より道幅がせまい昌永橋。 小橋は2車線でしたが、ここは車1台しか通れません。 歩道と車道があまり変わらない幅です。 この辺りは住宅街で、地域の人の生活道路上にある橋ですね。
-
今回の七つ橋渡りのコースは、金沢観光ボランティアガイドの「まいどさん」に案内してもらうことができます。 七つ橋渡りの詳しい方法や金沢の歴史、周辺のお話などを聞きながら回ることができますよ♪ 申込は、金沢市観光協会の予約申込フォームからできます。(料金:無料) https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/support/detail_2.html
-
-
9
【14:05】金沢ふらっとバス 此花ルート・バス停「浅野本町」でゴール!!
昌永橋からバス停までは徒歩3分。此花(このはな)ルートは「金沢駅」や「近江町市場」にも停まります。無事七つ橋渡りのコースを制覇できました!距離にして2キロちょっと。もっと遠く感じるかな、疲れるかなと思っていたのですが、それぞれの橋に見どころがあったため、全く疲れを感じず、楽しく歩けました♪今回は途中お店に寄ったりしたので3時間ぐらいかかりましたが、歩くだけなら1時間程度です。ひがし茶屋街、主計町茶屋街周辺を隈なく回るコースとしてもおすすめなので、ぜひ散策してみて下さい♪※このコースは2019年6月21日に行ってきました
ゴールFinish!