【片町・にし茶屋街エリア】金沢を愛した室生犀星と文学仲間の幼き思い出を歩く

金沢三文豪の一人である室生犀星の足跡をたどるルートです。犀星が幼少期を過ごした雨宝院と神明宮、そして犀川の辺りを歩きながら室生犀星の文学碑まで歩きます。このルートには他にも金沢にゆかりのある文豪の足跡が残っています。犀川を眺めながらお散歩してみましょう!

昼からスタート

からスタートafternoon start!

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    【13:00】北鉄・片町バス停からスタート!

    【13:00】北鉄・片町バス停からスタート!

    JR金沢駅からバスで約20分。北陸鉄道「片町」バス停で下車したところからスタートします。金沢の繁華街である片町エリアの端になり、寺町寺院群やにし茶屋街に行くには、こちらから歩くのがおすすめです。では、本を片手にスタート!

    • バスを降りて右側、犀川大橋を渡ります。 きれいに塗り替えられている鉄骨造の橋ですが、こちらは大正13年に作られたもの。 登録有形文化財に指定されています。

    • 犀川大橋を渡りきったところにある、レトロな建物。 実は警察署です。 最初の目的地は、この警察署前の細い道を入っていきます。

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    【13:05】「雨宝院」幼き犀星を育てた家

    【13:05】「雨宝院」幼き犀星を育てた家

    天平8年(736年)創建の高野山真言宗のお寺。寺町寺院群の一つで、金沢三十三観音霊場第17番札所です。室生犀星が幼少期から長きに渡って過ごした寺であり、犀星の小説にもたびたび登場します。

    • 小道を入ってすぐ、お寺が見えてきました。 こちらが雨宝院です。 室生犀星は生まれてすぐ、この寺の子供として預けられます。7歳のときに住職の養子となり、姓が「室生」になりました。ちなみに、「室生犀星」の名字は「むろお」読みが正解だそうです。

    • 雨宝院の外壁沿いにある、室生犀星の文学碑。 『性に目(眼)覚める頃』の一節です。 『あんずのうた』など詩人のイメージが強い室生犀星ですが、小説や随筆作品も多いんですよ。

    • このお寺には、室生犀星にゆかりの品を納めた展示室があります。 住職さんが丁寧に案内してくれますよ。 「雨宝院」金沢市千日町1−3 開館時間 9:00~17:00ごろまで 拝観料(展示室) 大人300円

    • 雨宝院から徒歩5分程度のところに、室生犀星の生家があります。現在、その場所に「室生犀星記念館」があります。室生犀星について詳しく知りたい方はこちらもオススメ。 ガラス張りですごいモダンな建物でちょっとびっくりします。上京後の犀星や、作品解説などはこちらのほうが充実しています。あと、文学好きならミュージアムショップに行くのもオススメ! 「室生犀星記念館」 住所   金沢市千日町3-22 開館時間 9:30~17:00 定休日  12月29日~1月3日/展示替え期間 観覧料金 大人300円・高校生以下無料

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    【13:40】「神明宮」生家の裏庭に文学仲間は集まる

    【13:40】「神明宮」生家の裏庭に文学仲間は集まる

    加賀藩が氏神とするほどに手厚く保護された神社。境内にそびえる樹齢1000年は超えると言われる大ケヤキは金沢市指定保護樹の一つ。

    • 雨宝院から目と鼻の先にあるのが「神明宮」。こちらの境内で、幼き日の室生犀星は遊んでいました。 生まれた家の裏にあたります。メイン道路から見るとこっちが表で、生家が裏じゃないかと言うツッコミは野暮。

    • 「神明宮」は、金沢における左義長(小正月にしめ縄や門松などをお焚き上げする行事)の始まりの神社として知られています。 また、春と秋の例大祭においては、「あぶり餅神事」と呼ばれる四角い餅(御幣)を串刺したものを食べ、無病息災を祈る行事が行われています。

    • そして「神明宮」といえば大ケヤキの木です。樹齢1000年と言われ、金沢のパワースポットの一つです。 昔はこの境内で、祭りやサーカスなどのイベントが行われていました。そんな『サーカス』を見た少年が、後に一つの詩を詠んでいます。 父の仕事の関係で一時期金沢に住んでいた、中原中也です。

    • 室生犀星と中原中也という、二人の詩人が、同じ神社で幼き日々を過ごすってすごいですよね! そんなことを思いながら境内を眺めると、子どもたちが走り回ってる様子が目に浮かんできます。 と考えながら、お参りを。

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    【14:00】「薬屋カフェ」文豪サマは薬がお好き?

    【14:00】「薬屋カフェ」文豪サマは薬がお好き?

    2017年春にリニューアルオープンした「安藤芳園堂ビル」(安藤薬局)の1階にあるカフェ。心身に優しい薬膳スイーツとランチのお店。にし茶屋街、寺町寺院群からもほど近い、野町広小路交差点にあります。

    • 歩き疲れたので、ちょっと休憩。 神明宮から目と鼻の先にある、安藤薬局ビル。 最近新しくなりました。 シックでレトロな外観が、お寺さんが多いこのあたりの雰囲気に溶け込んでてステキ。 この建物の1階に、薬局と、カフェがあります。

    • カフェの奥。こちらも客席です。 メニューを見て、先にレジで注文とお会計を済ませるタイプのお店です。 書斎のような雰囲気の席で、何を食べようかな。 この日のランチメニュー、薬膳ハンバーグも気になるんですけど……。

    • ドリンクはカモミールミルク550円(税込)を注文。 ハーブであるカモミールのエキスを抽出して、ミルクに溶かしたもの。エキスの説明文(黄色いメモ用紙)も添付されているので勉強になります。 さわやかな甘さで優しい味です。 ポットの中の2煎目のカモミールエキスも一緒に飲むと、カモミールの薬効が2倍! ミルクに浮かんでいるナツメの実も、美味しくいただけます。

    • スイーツはチョコブラウニー400円(税込)をセレクト。 ブラウニーは日替わりでいくつか選べます。 これは白ごまときなこのブラウニーに生クリームとバニラアイス(きなこ掛け)を添えて。 薬膳スイーツと言うと一種の薬臭さを想像しがちですが、違和感なく食べられます。ごま、きなこも薬膳で使われるもの。身体の調子を整えてくれる効果があります。 チョコが濃厚で、美味しくて健康になれるってステキ!

    • 薬膳カフェにふさわしく、鉱物や植物の標本も並べられています。これ、全部薬として使われていたもの。いわゆる東洋の漢方だけでなく、中世の西洋で用いられていたものも並べられています。 薬といいますと、室生犀星もそうなのですが、同じ金沢の文豪・泉鏡花も強い関心を持っていたんですよね。

    • 自由に読める書棚には、古今東西の文豪による小説と、ファンタジー世界を中心とした薬や魔法の本がズラリ。 文机もあります。文豪になりきって、書棚の資料をひきながら詩や小説をじっくり書いてみたいところです。 そんな空想も楽しみつつ、ごちそうさまでした! 「野町薬屋カフェ」 住所   金沢市野町1-2-43安藤芳園堂ビル1階 営業時間 10:00~18:00 定休日  火曜日・水曜日

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    【14:40】犀川のほとりで文豪たちは何を見る?

    【14:40】犀川のほとりで文豪たちは何を見る?

    室生犀星文学碑。有名な『あんずのうた』の一節が記されています。 犀川の両岸の遊歩道の一部、「犀星のみち」の途中にあります。

    • 犀川大橋を渡って、片町側の犀川沿いを山側へ向かって歩きます。 晴れた日は、川の上流に白山麓が見えます。

    • さらに歩いていくと、立派な歩道が見えてきました。 緑の木々が美しいです。 (とこのあと、盛大に転びました。足元はちゃんと見て歩いてくださいね)

    • 5分ちょっと歩くと、河岸側に瓦葺きの塀が現れます。 この手前に、室生犀星の文学碑があります。 『あんずのうた』の一節が、犀星の直筆の書を元に掘られています。 この詩は、口に出して読むと味わい深いと思うんですよね。

    • この文学碑の塀の向こう側に何があるかと言うと。 句碑。俳句がいくつが書かれています。 室生犀星と同じ時代を生きた、高浜虚子とその息子である高浜年尾の句碑なのです。昭和26年に、親子で金沢や富山を旅したときに詠んだもののようです。 その他にもいくつか句碑があります。

    • さっき覚えた句をぶつぶつ覚えつつ、目の前の緑地広場に出てみました。 対岸の和洋折衷な金沢建築を眺めながら、ボーッと過ごす時間もいいものです。 犀星さんや虚子さんが見た犀川って、こんな感じだったのかなあ……と想像しながら、緑地帯を歩きつつ、犀川大橋方面へ戻ります。 (※雨天時などは緑地公園への門が閉鎖されていることがあります)

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    【15:20】北鉄・片町バス停ゴール!

    【15:20】北鉄・片町バス停ゴール!

    金沢駅へと戻るバス停は、片町きらら前のバス停です。「室生犀星文学碑」から歩いて10分少々。文学を訪ねつつお散歩するにはちょうどよい距離です。金沢三文豪の遺構は金沢市内あちこちに残されています。難しくない文学散歩、是非楽しんでみてください!※このコースは8月1日に行ってきました。

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